30年前は『PC-9800』シリーズが全盛の時代。『Windows 95』の登場を境に、激動の歴史が始まる。30年の歴史を改めて振り返ってみよう。
◎『Windows 95』で大きく変わったPC
PCは、この30年で大きく変化してきた。1986年には、まだ『PC-9800』シリーズなど、国産メーカーが中心だったが、その状況に変化をもたらしたのが『Windows 95』だ。
「『Windows 95』発売後、状況が大きく変わりました。『Windows 95』では、現在のパソコンに受け継がれている基本機能や操作性が実現され、また海外メーカーのパソコン(PC/AT互換機)でもスムーズに日本語環境が利用できるようになったため、海外製の格安パソコンが普及するきっかけになりました」と大河原氏は当時を振り返る。
一方で、インターネットの普及もPCの進化に欠かせない。『Windows 95』でネットへアクセスしやすくなり、2000年以降はADSLの普及などで急速に広がった。大河原氏は無線LANが、モバイルPCの浸透につながったという。
「パソコンを持ち歩けるようになったのは、無線LANが普及したことも大きいですね。2003年にインテルが無線LANをセットしたプラットフォーム『Centrino(セントリーノ)』を発表してモバイルPCでも手軽にネットへアクセスできるようになりました。将来的には『VAIO S11』のように直接ネットにアクセスできるのが、標準仕様になるかもしれませんね」
スマホの登場で、今後はPCに求められることが大きく変化する時代になる。30年後には、PCがどのように変化しているのだろうか。
IT専門誌『週刊BCN』の編集長を務めたのち、2001年よりITジャーナリストとして活躍。ビジネスパーソンに鋭く切り込む記事内容が持ち味。