■連載/阿部純子のトレンド探検隊
紫外線が強い時期には欠かせない日傘だが、突発的な雨に備えて晴雨兼用として日傘を持つ人も増えている。真夏だけではなく紫外線が強くなる5月あたりから、盛夏を過ぎた9月末あたりまで“秋パラソル”として使う人も多く、日傘が活躍する時期は意外と長い。
日傘の選び方や今年のトレンド、日々のお手入れなどについて、小田急百貨店新宿店 本館3階婦人服飾雑貨売場担当の上野さんに話を伺った。上野さんは同売場に在籍する9名の「アンブレラ・マスター」のひとり。「アンブレラ・マスター」とは、日本洋傘振興協議会が認定している資格で、傘の種類や機能、正しい使い方、ケア方法などに精通している傘のスペシャリスト。豊富な知識をもとに一人一人に合ったおすすめの傘を提案している。
◆日傘選びのポイントとは
○サイズ、重さ、形状をチェック
まずは手に取って重さと、傘を広げたときの大きさをチェックしてみよう。ここ数年、スマートフォンよりも軽いといわれる120~150gの軽量サイズがよく売れている。軽量サイズは通常サイズ(200~250g)の半分ほどの重さで、カバンにさっと入れられる細身が主流となっている。
日傘の大きさは雨傘と同様に親骨の長さで表記される。一般的に、折りたたまないタイプのショート傘は47cm、折りたたみは50cmのミニ傘と55cmのワイド傘がある。50cmの大きさだと、肩が傘から出てしまったり、雨のときに濡れる場合もあり、雨傘と同じサイズの55cmが今年は人気となっている。50cmと55cmの傘を比較すると直径では10cmほどの違いがあるので、晴雨双方をしっかりカバーしたいのならば55cmのワイドがおすすめ。
通勤で使う場合はカバンに入る折りたたみが便利だが、大都市ではビル風が強く、丈夫さで選ぶなら折りたたみではないショート傘がおすすめ。また、ミニ傘は骨が折れる構造のため丸みのない形になってしまうが、ショート傘は丸みのあるきれいなスタイルなのでデザイン的にも美しい。
折りたたみ傘は持ち運びに便利だが、折りたたむのが面倒という人におすすめなのが「楽折スタイル」傘。傘を閉じる際に親骨が2段階に折れるので、自分で折りたたむ必要がなく、手元は長傘のようなしっかりとした形でカバンにも入るサイズになっている。昨年は2~3種類ほどだったが今年は10種類ほど登場しており、注目アイテムとなっている。