【AJの読み】傘を見るときはどんどん広げて、終わったら店員さんにたたんでもらおう
アンブレラ・マスターの上野さんは傘売場を担当して4年目。傘のスペシャリストだけあって所有の傘は20本以上だとか。うち日傘は7~8本で「普段はたたむのが面倒なので(笑)、ショート傘を使っています」とのこと。お気に入りの傘は部屋にディスプレイとして飾っているほどの傘好きだ。アンブレラ・マスターにはそれぞれ顧客がおり、上野さんを指名するリピーターもいる。
「入社前は傘にこだわりを持っていなかったので、3000円の傘でさえ、傘になんでこんなにお金を出さなくちゃいけないの?と思っていたほどです。仕事で質の良い傘を扱うようになって、良いものは大事に使えば長く使える、おしゃれに気を遣う人はきちんとしたものを持っていることに気づきました。洋服も靴もバッグも質の良いものでコーディネートしている方には、傘にもこだわって良い傘をぜひ使ってほしいです」(上野さん)
傘売場で折りたたみ傘を見ているときに面倒なのが広げた傘をたたんで戻すこと。きれいにたためなくて袋の途中までしか入らず、それが面倒で広げずに見た目だけで買ってしまうことも。実際にしわになったり、袋が破れたりして商品として販売できなくなってしまうこともあるそうだ。小田急百貨店新宿店ではこうした問題を解決するために、ワゴンセールの際はバスケットを設置。開いた傘はたたまずにそのままバスケットで戻せばOK。
「たたむのが苦手なお客様は無理をせず、そのまま置いておくか、店員に声をかけてください。傘をたたんでと言われて嫌な気分になる店員は絶対にいません。傘は開かないとわからない色やデザインがありますし、深張り、浅張りといった形の違いがあるので、逆にどんどん広げて見て欲しい。見終わったらどんどん店員に渡していただければ結構です」(上野さん)
消耗品の傘は価格もピンキリで購入場所もさまざまだが、百貨店で買うメリットは今回紹介したようなアドバイスがもらえて、自分に合った質の良い傘を提案してくれるということ。いつもは晴雨兼用の折りたたみ日傘を使用しているが、今回アンブレラ・マスターにいろいろとお話を伺って、休日のお出かけ用に純パラソルが欲しくなった。パラソルは年齢を重ねてもできるおしゃれなので、お気に入りを見つけるためにじっくりと選びたい。
文/阿部 純子
■連載/阿部純子のトレンド探検隊