■悪い報告の4つの間違いと正しい報告の仕方
出世願望がある人は、ぜひ悪い報告を使いこなしたい。ただし、悪い報告をする際には、いくつか注意点がある。次の4つの間違いを避けるために、正しい報告の仕方をチェックしておこう。
1.メール報告で終わらせる
「メール報告は、迅速に伝える手段としては一定の効果がありますが、受け手側に伝えたい情報の意図や熱意が十分に伝わりません。対面報告も必ず行いましょう」
【対策】
「メール報告」+「対面報告」で補足と熱意を伝える
2.「どうしましょう?」と自分の考えを持たずに報告してしまう
「いくら、悪い報告は早くといっても、事実だけ伝えて『どうしましょう?』だけの報告では、何も考えていない単なる伝達者です」
【対策】
「私としては、〇〇〇を早急に対応したいと考えております。さらに、△△について、アドバイスとご支援をいただきたいと思います」など、自分の考えも添える
3.結論が見えない、まわりくどい報告
「何が言いたいのかわからない報告は、聞いている側を無条件に困惑させてしまいます」
【対策】
・5W1H(いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どんな方法で)で簡潔明瞭に話す
・結論を伝えた後に、背景や理由を伝える
4.言い訳ばかりの報告
「上司の対応のまずさや、部下のふがいなさ、他部門が協力してくれない“ぼやき”など、問題の原因を他人の『行動』にあると報告しても、根本的な問題解決は困難です。自分がどのように『行動』して対応するかを報告しましょう」
【対策】
「他責」から「自責」に置き換えて考える
何か問題を見つけたら、いち早く報告して、組織のリスクを回避したい。その際には、ぜひ正しい報告の仕方で完璧な対応をしたいものである。
(取材協力)
研修講師・社会保険労務士 津坂 直子さん
大手総合電機メーカーにて、人事・労務・人材育成業務に従事。その後、研修講師、社会保険労務士として独立。人事・労務、人事制度構築等のコンサルティングとともに、コミュニケーション、人事労務、マネジメント研修等を実施し、総合的な企業コンサルティング業務に取組んでいる。
http://www.jmam.co.jp/hrm/course/bizcall/fsn.html
取材・文/石原亜香利