■連載/メンズビューティー通信
日本では毎日のように、新たなダイエットやエクササイズの方法が生まれているが、ついに「マスクをつけるだけ」で痩せられるという、シンプルさでは群を抜くダイエットが現れた。
このアプローチは、12月18日に刊行された『マスクつけるだけダイエット』(大谷義夫/扶桑社)で説明されている。
「まさか、マスクをつければ間食が億劫になって、体重が減るという論法?」かと一瞬思ったが、本書を読んで腑に落ちた。
呼吸筋を鍛えることで、基礎代謝を向上させ、結果として体重の増加を抑えるのだという。以下、そのメカニズムを詳しく解説しよう。
本書には、一見何の変哲もない白いマスクが付録についている。が、実はこのマスクはN95という米国の規格に準じた素材で作られており、0.1/マイクロメートルの超微小粒子を98.9%カットするほど目が細かい。
目がもっと荒くて空気を通しやすい、市販のふつうのマスクに比べて4倍も呼吸に負荷がかかり、息苦しい感じがする。そのため、意識してしっかりと呼吸することが必要になる。
ここがミソで、呼吸に負荷をかけることで、「呼吸筋」を鍛えることになり、呼吸機能が高まるのだという。呼吸筋とは耳慣れない言葉だが、これは肺を膨らませたり、縮めたりする働きをもった筋肉のこと。肺自体は、自力で収縮する能力を持っていなため、周囲の筋肉が伸縮することで、肺を動かしている。主な呼吸筋は横隔膜と外肋間筋で、補助的に腹直筋や胸鎖乳突筋などが使われる。
これらの呼吸筋は20代をピークに次第に衰え、酸素の吸収効率が落ちていくという。しかし、付録のマスクを使って呼吸に負荷をかけ続けることで、呼吸筋は鍛えられ、体内により多くの酸素を取り込むことができる。
体内の酸素が増えると、体脂肪がよく燃焼し、血行も促されて、内臓機能が活性化する。この際に、基礎代謝(安静時に体内で消費されるエネルギー)が向上する。基礎代謝が向上すると、何か特別な運動をせずとも体内で消費されるエネルギーが増えるので、「食べても太りにくい体質」になるという。