
蜂蜜には殺菌作用があるのをご存知だろうか。中でも、「マヌカハニー」と呼ばれる種類の蜂蜜は、特に殺菌力に優れており、風邪予防や胃腸に発生するピロリ菌などの殺菌力を持つといわれている。ここ数年の間で、食料品売り場で見かけるようになったが、まだまだその認知度は低い。そこで、マヌカハニーに詳しい薬剤師の方に、その効能とビジネスパーソン向けの使い方を伺った。
■「マヌカハニー」は普通の蜂蜜とどう違うのか?
マヌカハニーと呼ばれる蜂蜜は、一般的に流通している蜂蜜とは異なる特性を持つ。果たして、どのような違いがあるのだろうか? そこで、マヌカハニーの正しい利用法についての啓蒙活動を行なう、薬剤師の吉江隆範さんに聞いてみた。
「マヌカハニーは、ニュージーランドのみに自生する『マヌカ』と呼ばれる花から採られた蜂蜜です普通の蜂蜜と比べますと、濃厚で濃いキャラメルのような味わいが楽しめる希少価値の高い蜂蜜です。このマヌカハニーの一部に、強い殺菌効果を示すものがあることが分かり、30年ほど前からニュージーランドでは〝医薬品〟のように特別扱いされています。この特別なマヌカハニーが近年話題になっているわけです」
このマヌカハニー、まるで医薬品のようだが、その食べ方は、普通の蜂蜜と比べて違いはあるのだろうか?
「マヌカハニーはローヤルゼリーやプロポリスなどの蜂由来の特殊成分とは違い、特徴はありますが、純粋なハチミツです。食べ方は普通の蜂蜜と変わりません。希少性が高いので、パンや料理などに使うのはちょっともったいない気がします。ニュージーランド人に聞いたら『モッタイナイヨー』と言っていました(笑)。おすすめはティースプーンで一杯そのまま舐めることです。また濃厚な味わいは乳製品との相性がバッチリです。チーズやヨーグルトなどには特に合います。最近、ブルーチーズの入ったピザに蜂蜜をかけて食べるのが流行っていますが、マヌカハニーでやると抜群においしいです」
■マヌカハニーの抗菌作用には段階がある
しかし、マヌカハニーといっても、その抗菌作用には違いがある。吉江さんによれば、その抗菌作用を見極めるための基準があるという。
「すべてのマヌカハニーが特別というわけではありません。マヌカハニーを見分けるための基準として、ニュージーランドマヌカハニー協会(UMFHA)が認定する「UMFマヌカハニー」があります。これは、最も古く信頼のある規格として世界的に認められている基準です。UMFHA 認定のマヌカハニーには、『UMFマーク』と『数値』が記載されていますので、購入する際の基準にしてください」