『ダイム』が創刊したのは1986年のこと。この30年間に、日用品からも数多くのトレンドが誕生した。進化を続けながら、今も使い続けられている傑作ロングセラーを年代を追って紹介しよう。
◎使えばわかるロングセラーの理由
かつて日用品のロングセラーといえば、発売当時のままのデザインと性能を、長年にわたって守り続ける商品のことだった。
しかし、1980年代になり、商品の市場競争が激化すると、そのスタイルでは生き残りが難しくなる。一発屋で終わらないためには、基本コンセプトを継承しつつ、スペックアップを続けることがロングセラーになるための重要な要素となった。
そんな厳しい時代だけに、この30年間で誕生し、激戦を勝ち抜いてきた日用品のロングセラーは、常に改良を重ねて進化を遂げた傑作揃いだ。
ここに紹介した最新の商品を、実際に使ってみると、進化のすごさとともに、なぜ多くの人に長く愛用されてきたか、ロングセラーになった秘密もわかるだろう。
《 1980年代/バブル景気 》定番の日用品が次世代へ進化!
新しい素材などの開発によって、いつも使っていた日用品のクオリティーが大幅にアップ。洗剤や防虫剤、耳せんなどに次世代品が登場した。
〈1986〉DKSHジャパン『イアーウイスパー』
●安眠や集中したい時に最適な〝科学の耳せん〟
水洗いをすれば、清潔さをキープできる耳せんの定番。30年間の進化を経て、その技術は同社の『サイレンシア』シリーズへも継承されている。写真は2ペアタイプ(400円/編集部調べ)。
〈1986〉小林製薬『ブルーレットおくだけ』
●便器の輝きを保ちイヤなニオイも消臭!
爽快なブルーの水が便器の汚れを洗浄し、不快なニオイもカットする国民的芳香洗浄剤。汚れ付着防止成分に含まれるコート効果が便器をきれいに保つ。写真は『ブーケの香り』(315円)。
〈1987〉東レ『トレシー』
●驚くほど汚れが拭き取れる万能クロスの元祖!
東レの超極細繊維から生まれた、繰り返し使えるクリーニングクロス。メガネやスマホ、腕時計の汚れ拭きや磨き上げにも使える。無地のほか柄物やプリントものも好評だ。
右/名画をプリントした『名画トレシー』(900円)。色彩まで精密に印刷。左/『日本橋 榛原 丸紋花づくし』(900円)。
〈1987〉花王『アタック』
●スプーン1杯で汚れを落とす、世界初のコンパクト洗剤登場!
1995年には液体洗剤も登場。アタックブランドとして多様な商品を発売する。写真は濃縮酵素パワーで洗浄する『ウルトラアタックNeo』(400g・360円/編集部調べ)。
〈1988〉エステー『ムシューダ』
●防虫剤を無臭化した衣類収納のエポック
ツーンとくるニオイが消えた画期的な防虫剤。クローゼット用など、各収納場所に適した様々な商品がある。写真は『ムシューダ 1年間有効 引き出し・衣装ケース用』(848円/編集部調べ)。
〈1988〉サーモス『シャトルシェフ』
●料理の時間や光熱費も節約!
サーモスの真空断熱技術を使った真空保温調理器。短時間加熱した調理鍋を保温容器に入れておくだけで、プロ顔負けのおいしい本格料理が手軽に仕上がる。写真は『KBF-3001』(1万8000円)。