■Impression
操作はホイールとセンターの決定ボタンとその横の3つのボタンでおこなう。ホイールの横の3つの物理ボタンは、それぞれ上から再生/停止、メニュー、戻るとなる。ホームボタンがないため操作性はあまり良くない。さらに問題なのはmicroSDカードに入れた音楽データはエクスプローラーからしか表示できない。アルバム、アーティスト、ジャンルに表示されないだけでなく、音楽一覧にも出てこない。また、プレイリストに加えることも出来ないのだ。よく聴く曲は内蔵8GBのメモリに保存しないと素早く再生できない。外部メモリに入った楽曲のアルバム単位での再生方法は、再生設定のリピート設定をフォルダー単位に指定すればOK。本機には英文のマニュアルが付属する。
操作性には問題があるが、音はどうだろう。Yuji Ohno & Lupintic Five with Friends「BUONO!! BUONO!!/THEME FROM LUPIN III 2015〜ITALIAN BLUE ver」(48kHz/24bit)は中低域寄りのバランスで高域は耳に優しい。同価格帯のFiiO『X1 2nd Generation』が高解像度でキレがあり、粒立ちのいい音であるのに対して、本機は粒立ちよりもなめらかさ重視で、聴きやすい音と言える。低音は量感があるが、解像感が今ひとつでモコモコした感じになる。起動時間は約10秒と早く、再生画面ではアルバムアートに対応、専用のライン出力端子を持つ。このライン出力の音は意外によかった。全体的な完成度では音も含めて同社の『H6』の方が高い。タッチパネルよりコンパクト重視でホイールのインターフェイスとデザインが好きなら『DN-914667』という選択肢もある。ただし、重量約168gは思ったより重いのだ。ちなみにAstell&Kern『AK70』は132gである。
文/ゴン川野
オーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!