■連載/90年代スニーカー再考!バスケブーム世代が語る『NIKE AIR ZOOM FLIGHT 95 HI』の魅力
【バスケブーム世代が語る『NIKE AIR ZOOM FLIGHT 95 HI』の魅力】
ナイキの『AIR MAX 95』や、リーボックの『INSTAPUMP FURY』といった誰もが知る名作が牽引し、社会現象にもなったハイテクスニーカーブーム。NBA人気に伴う『AIR JORDAN』シリーズの流行。90年代は、現在でも愛され続けているスニーカーが数多く生まれた。90年代とはスニーカーにとってどのような時代だったのか。識者の証言とともに検証していく。
今回、話を聞いたのは、「SKIT(スキット)」代表の鎌本勝茂(かまもと・かつしげ)さん。貴重なヴィンテージやユーズドモデルから、話題の新作、レアな海外限定モデルまで幅広く展開している「SKIT」は、海外のスニーカーフリークも足を運ぶ人気ショップだ。
1978年生まれの鎌本さんは、高校時代にハイテクスニーカーブームが直撃した世代。しかしご本人いわく「メインストリームとはちょっとズレていたかもしれない」とのこと。
鎌本さん:3on3(スリーオンスリー)とか、ストリートバスケットボールのブームがあり、「スラムダンク」の連載が始まって、学生の頃はストリートのバスケットボールにのめり込んでいました。BS放送ではNBAが、毎日当たり前のように放送されていましたし、1992年にはドリームチームが話題になったバルセロナ五輪もありました。バスケットボールがすごく盛り上がっていた時期ですよね。僕は出身が青森なんですが、当時ストリートでバスケできるようなところがなくて、リングのようなものを自作したりしていました。で、やっぱり雰囲気を出したくなって、BS放送などで当時かかっていた音源を探すようになったんです。テレビに映った楽曲名をメモってCDショップに行くと、その頃はヒップホップというくくりではなく、ブラックミュージックとカテゴライズされていたところに目当てのものがありました。
やがて音楽の虜になった鎌本さん。当時はストリートファッション誌が全盛で、多くの人が情報源、お手本としていたが、鎌本さんが最も影響を受けたのは、レコードやCDのジャケットにあったアーティストたちのスタイル。
鎌本さん:ストリートファッション誌も読んではいましたが、自分が好きなバスケットボールと好んで聴いていた音楽とはズレていたというか。音楽を追求していくなかで、なんかメインストリームを外れていってしまった感じですね(笑)。
17歳の冬休み、18歳の夏休み、冬休みは、東京に来て吉祥寺のスニーカーショップでバイトをしていたという鎌本さん。90年代の思い出の一足はナイキの『AIR ZOOM FLIGHT 95 HI』だそう。