ふと見返すと、彼方に都心を臨む絶景が広がっていた。そしてついに、筆者のiPhone 7が「圏外」を表示し続けるようになった。いよいよ衛星電話のテストを実施することにする。
陣馬山の北東側から陣馬街道を登ってきたので、衛星電話を接続する南西方向が山の斜面に邪魔されるんじゃないか? そんな不安を感じながら、501THを取り出す。
しかし、所々木立に隙間があり、南西方向の空をおがむことができた。すかさず、電源をONにする。すると衛星からの電波をキャッチ、無事回線がつながった。
ちょっと写真では見づらいかもしれないが、iPhone 7は圏外、501THは最良の電波状態(アンテナバーが5本)である。
気負ってみたものの、結論からいうとあっさりとつながってしまった。人工衛星からしてみれば、山中も都会も同じようなものかもしれない。障害物さえなければ通信ができるというわけ。当たり前だけど。
でも、山中や海上の携帯電話回線がつながらない場所で、何かトラブルがあったら一大事。実際、狭くて険しい峠道をクルマで走っていて、携帯電話回線が通じなくなった途端、不安感に襲われた。
「もし、ここでクルマにトラブルがあったら、民家がある場所まで歩かなきゃだめだろうな」と思い、心細くなったからだ。そんなとき衛星電話があれば安心だなぁと思った次第。
ちなみにこのソフトバンクの衛星電話501THの端末代金は8万7600円。基本料金は月額4900円で、毎月の端末購入割引の月月割を考慮すると、2年間でトータル14万1120円(月額5880円)で使い始めることが可能(通話料・通信料別途)。この料金は高いのか? お得なのか? それは、ユーザー次第であろう。でも、いざという時の安心感は、半端ない。
文/中馬幹弘(ちゅうま・みきひろ)
アメリカンカルチャー誌編集長、アパレルプレスを歴任。徳間書店にてモノ情報誌の編集を長年手掛けた。スマートフォンを黎明期より追い続けてきたため、最新の携帯電話事情に詳しい。ほかにもデジタル製品、クルマ、ファッション、ファイナンスなどの最新情報にも通じる。
※記事内のデータ等については取材時のものです。