■3万6000kmの彼方にある人工衛星につながるのか?
格好からすでにシビれっぱなしの筆者であるが、本題の衛星への接続を試してみよう。
まずは「南西の空が開けた場所」に行く。衛星電話なので、建物の中や地下では接続できない。南西方向にビルなどがない場所を探して移動する。
そして、アンテナを伸ばして、そのアンテナを南西方向に向ける。仰角(空に向かう角度)を25°〜60°にすると画面のアンテナバーが5本立ちやすくなる。
東京都千代田区で行った実験だが、無事電波をキャッチ! 衛星回線が開かれた。
試しに、携帯電話へかけてみる。080-0000-0000と11桁の番号を押すだけで大丈夫(写真は一部数字を隠しています)。電話がかかった相手には+88216……と表示され、国際電話のような感覚におちいる。
人工衛星まで電波が往復するので、通話にタイムラグがあり、こちらも国際電話感覚。音質はそこそこだが、アンテナの角度がずれると通信が安定しなくなるので、内蔵スピーカーやイヤホンマイクでの通話がお勧め。
ビルが多い都内で衛星電話は使いにくいかと思っていたが、あっさりつながったのにはちょっと驚き。3GやLTEが繋がっている環境でわざわざ使う必要はないと思うが、なんとなく安心である。
通話料金は60秒で160円から。当然料金は高めである。また、データ通信もパケット量による従量制で1kbpsで2円だ。