体重×100cc以上の飲水量は絶対おかしい!
ここで、飼い主さんに「これは絶対におかしいぞ」という飲水量の目安をお教えしましょう。それは、1日に「体重×100cc以上」の飲水量です。つまり、5kgのワンコならば1日で500cc以上、10kgならば1000cc以上という簡単な計算です。500ccのペットボトルにお水を準備してもらい、そこから器にお水を入れる様にし、次の日にペットボトルに残った水の量をチェックするとだいたいの数字が分かると思います。
もちろん、体重×100cc以下の飲水量なら心配ないという訳ではないですが、1つの基準として知っておいて損はないと思います。
また、一日に必要な水分量は、その動物の一日に必要なエネルギー要求量とほぼ同じと言われており、その計算方法は色々あります。
例えば獣医師会では
◆ワンコ 体重(kg)の0.75乗×132(ml)
◆ニャンコ 体重(kg)の0.75乗×70(ml)
と言われていますが、計算が大変と飼い主さんに言われてしまいました!!たしかにそうですね・・・。健康なワンコ、ニャンコの場合は一日に体重1kgあたり約50mlの水分が必要と覚えておけば良いと思います。
ただ「水分の必要量=飲水量ではない」という事は覚えておいて下さいね。フードの中にも水分は含まれていますから、それも含めて必要な量以上にお水を飲んでいるかどうか、以前と比べてどうなのかをチェックしてあげて下さい。
さて多飲多尿の症状というのは、実は怖い病気が隠れているかもしれないというお話をしたところで、次回からはその病気について説明していきますね。
文/古江加奈子(獣医師)
パーク動物医療センター副院長。福岡県獣医師会、福岡市獣医師会、日本獣医がん学会に所属。言葉の話せない動物を治療するうえで、動物たちに聞く代わりに飼い主から沢山のことを聞き、飼い主とのコミュニケーションを最重視するドクター。http://parkanimal.jp/
構成/ペットゥモロー編集部