■嗜好品としてのチョコレートを目指す
この抹茶味について、SNSからは「抹茶なのに茶色?」と関心を寄せる声が多いという。また、今までの抹茶チョコを認めていないチョコ好き層から「これならいける」という意見も多く寄せられているという。中には、「このシリーズに外れなし」という声も。
このように抹茶味は発売開始から評判が高いが、一部「苦い」「抹茶の味がしない」などの感想も上がっている。
「当シリーズのコンセプトは、カカオの面白さにあります。“チョコ=甘いおやつ”ではなく、“嗜好品”という領域をめざしました。コーヒーも昔は甘いコーヒーが普通でしたが、今では大手カフェチェーンなどが広がり、ブラックコーヒーも頻繁に飲まれています。同様に、当シリーズも嗜好品として楽しむものと考えています。ゆっくり口の中で溶かしながら素材の味を楽しみながら味わうことで、抹茶の味がしてくるかと思います」
■外国人からの反応は?
抹茶といえば、訪日外国人に人気のフレーバーである。今回抹茶味を投入したのには、インバウンド施策が念頭にあったのだろうか。
「インバウンドとは反対のことを考えています。できれば2020年までに海外で販売したいと思っています。
抹茶味は、海外の方に試食してもらいましたが、抹茶という“日本の味”をカカオと合わせているのは面白い・興味があるという感想や、カカオを大事にしていて、ちゃんとカカオの味がするという感想をいただきました」
■抹茶味はお茶に合う
この抹茶味をより美味しく楽しむとすれば、どのようなシーンに合うのだろうか。
「お茶ソムリエの方に、お茶との相性が良いと言っていただけました。旨みのある高価なお茶なら、この抹茶味のチョコレートの旨みと、お茶の旨みがマッチするのだそうです。
また、お酒との相性は、抹茶味ではまだ検証していませんが、本シリーズのベネズエラ産カカオを使ったチョコレートは、ウイスキーとの相性がいいことが分かっています。またコーヒーも、本シリーズの色んな味とのマリアージュが楽しめると思います」
抹茶味といえども、「明治 ザ チョコレート」の枠からは外れず、カカオの味が存分に楽しめる。その絶妙な味の調整と、素材の質の良さは、深く味わうたびに感じられるだろう。
取材・文/石原亜香利