■春野菜の効果的な食べ方とは?
これらの春野菜は、どうすれば効果的に食べられるのだろうか? 毒素を排出する効果を得ながら、美味しく食べる調理のコツを星野さんに伺った。
●菜の花
「菜の花は、醤油やかつお節をかけたおひたしや、辛子和え、炒め物、天ぷらなどがおすすめです。菜の花を茹でる場合、色味をキレイに出し、甘みを引き出させるためには、塩を入れてサッと30秒ほど茹でるのがポイントです。ビタミンCなどの水溶性の栄養素が流れてしまわないように茹で過ぎない、水にさらし過ぎないよう気を付けてください」
●たけのこ
「たけのこは「朝掘ったら、その日のうちに茹でて食べろ」といわれるほど鮮度が重要です。購入したら、できるだけ早く茹でてアク抜きをしましょう。アク抜きはたっぷりの水で茹で、冷めるまでそのまま置いておきます。タケノコの姫皮(タケノコの先端部分)は柔らかいので、細かく切って汁物や和えものに、中心部はほどよい歯ごたえがあるため、炒め物や揚げ物に、根元は繊維が多く固いので煮物に向いています。」
●ふきのとう
「ふきのとうはアクが強い食材です。切るとすぐに断面が変色してくるので、切ったらすぐに水にさらしておきましょう。お浸しや和えものにする場合はアクを取る必要があります。3~4分塩茹でして水にさらしましょう。天ぷらなら、アク抜きをしなくても美味しく食べられます。また味噌、砂糖、みりんなどで作る「ふき味噌」もおすすめです。ご飯にかけて食べたり、調味料として炒め物に使用したりしても良いですね。」
●たらの芽
「“山菜の王様”と呼ばれるたらの芽は、葉酸を中心にビタミン類を多く含み、栄養面でもとても優れています。あまり日持ちするものではなく、香りを楽しむ食材です。できるだけ新鮮なうちに食べましょう。和えものやおひたしで食べる際は、塩を入れた熱湯で2~3分茹でてアク抜きを。ごまと味噌で和えたり、細かく刻んでご飯に混ぜ込んだりしても美味しくいただけます。パスタに入れたり、にんにくバターで炒めたりすると、和風以外でも合いますよ。」
●わらび・ぜんまい
「わらびやぜんまいはとてもアクの強い山菜なので、重層を使ってアク抜きをしましょう。重層の量が多すぎるとドロドロになるので量に気を付けてください。わらびのおすすめの料理は「わらびたたき」です。これは、アク抜きしたわらびを包丁の背で叩いて、味噌や醤油で味付けをする秋田の郷土料理です。他にはお味噌汁に入れたり、和えものにしたりしても美味しいですよ。ぜんまいは炒め煮にしたり、ナムルや白和え、炊き込みご飯に入れたりするのがおすすめです。」
●あしたば
「あしたばはクセのある味で、β‐カロテンやビタミンEなどの脂溶性ビタミンが多いのが特徴です。脂溶性ビタミンは油との相性がとても良いので、天ぷらや炒め物にして食べると効率良く体内に吸収できます。またあしたばはアクが強いので、おひたしや和えものにする際は、茹でて水にさらしてから味付けしましょう。茹でる時は茎の固い部分から茹でてください。」
●うど
「ほとんどが水分のうどには栄養素はあまりないですが、糖の吸収を抑えて血糖値の安定を促すクロロゲン酸を含みます。またうどは苦み、香りが魅力。美味しくいただくにはサクっとした食感を残すのがポイントです。皮をむいたら色が変わりやすいので、酢水にさらしましょう。うどは生でも食べられるので、醤油、かつお節を乗せるほか、サラダに入れても美味しく食べられます。」
春野菜の残りわずかな旬を、これらの美味しい食べ方でぜひいただいてみよう。
星野静香さん
管理栄養士/フードコーディネーター/ファスティングマイスター/アンチエイジングプランナー。病院管理栄養士、特定保健指導で栄養指導等を経験し、予防の重要性を知る。現在は女性栄養士がレシピ開発や商品開発等を行なう株式会社エミッシュのアシスタントとして働く。さらに栄養士の価値を広める活動として、イベント「8時だョ!栄養士大集合」のスタッフとしても活動中。http://ameblo.jp/sh1-0902
取材・文/石原亜香利
※記事内のデータ等については取材時のものです。