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人生ベスト3に入る煮込みと出会った武蔵新田の酒場『M』

2017.04.30

■連載/カーツさとうの週刊★秘境酒場開拓団

人生ベスト3に入る煮込み発見!武蔵新田『M』
(写真はイメージです。本文とは関係ありません)

人生ベスト3に入る煮込み発見!武蔵新田『M』の評価

オヤジス度    ★★
エルドラ度    ★★★
オヤジナリティー ★★★

 ここんとこ、東急多摩川線の店の話が多いでしょ? しょうがないよ、今オレが徹底的に攻めてる路線なんだから。

 だって世間で、ちょっと通の呑み屋街っていうと、なにかというと赤羽とかさ、立石とかさ、もうテレビとかでも出すぎの街を決まってやってるじゃん。もう飽きたろ あんな街。

 そりゃあイイ店もあるだろうけど、そんな徳光和夫が仕込みのバスの旅でこの前行ってたおでん屋とかで呑んで面白いか? まぁおもしろいだろうけど、もっと自分の地元だったり、仕事場近所でイイ店を開拓して飲んだ方が、それより数倍面白いのにな〜。

 そんなワケで今回も、多摩川線の武蔵新田っつう駅周辺を、友人のT氏とイイ店を探して歩いて見た。

 ちなみに“武蔵新田”と書いて“むさししんでん”と読みがちだけど、正解は“むさしにった”なんだが、覚えておいても近所に来なきゃ得はない。

 で、まぁ外観の佇まいからして良さそうな店は何軒もあったんだけど、そんな中でも特に気になったのが、駅前の商店街を南の方に歩いてしばらくいったトコロにある『M(仮名)』という酒場。

 駅前の繁華街をしばらく歩いて、ちょっとお店が少なくなってきたあたりにあるというロケーションはもちろん、入口の上に掲げられた、中に蛍光灯が仕込んであってうっすら光る看板が印象的だったんだよな〜。白地にクッキリと黒で『M(仮名)』という店名の正式名称が、書道の楷書のように、なんのケレンミもなく書かれていて、その上に“もつ焼”と“煮込み”という二つの単語が、これまた黒でググッと書かれている。

“もつ焼”と“煮込み”っていう単語だけでもグッとくるのに、この看板の、白と黒、それもヘタにデザインされてない文字のなんともいえない潔い雰囲気。これはナイス酒場に違いないと確信し、入店しようとしたその時、一組のカップルが店内から出てきた。

「安くてうまかったね〜」

 そのカップルの話し声がこっちまで聞こえる。すると思わずT氏が、そのカップルに、

「この店、良かったすか?」

 と話しかけた。

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