中山「できますよ! 他者を無理やり、謝らせることだってできる。それこそ、さっき営繕さんが言ったとおり、これから殴りに行って、頭をねじ伏せて無理やり土下座させればいいのだから」
みつさん「地面を向いた彼の顔は、笑ってるかもね」
中山「何が言いたいのですか?」
みつさん「どうやったって、他者の心は変えられないじゃないか。何度も言うけど、それは他者の問題だ。君とは、1mmも関係ない。
夢を聞かれて、『憧れのアイドルに愛されたい』って答えたら、ただのストーカーでしょ? もう一度だけ聞くよ。君は結局、どうしたいの?」
中山「確かに『謝らせたい』と無理やり殴っても、心から謝ってなかったら意味ないしなぁ……。あ、わかった。俺のほうが悪かったと、あいつのほうから言わせたい」
みつさん「バカなの? それも他者の問題でしょ?」
中山「えーっとじゃあ……。あ、上司や会社の人たちに、あいつがヒット商品を出せたのは、俺のおかげだと知らせたい!」
みつさん「『認められたい』、も他者の問題だよね。俺のことを認めてくれと、会社中歩いて回るやつなんて、誰も認めるわけないじゃん。君はどうしたいのかを、教えて」
中山「じゃあ、例えばここで、『殴りたい』と言えば営繕さんはOK出すんですか?」
みつさん「もちろん!『殴る』か『殴らないか』は自己の問題なんだから、喜んで、アスカになるよ! でも、殴りたいのはどうして?」
中山「ボコボコにして、『自分が悪かった』と、彼に思わせたいから」
みつさん「ほら、それも他者の問題。君はずっと、他者の問題に踏み込もうとしている。でも、それは絶対に無理だ。そんな時間があるなら、自分はどうしたいのかをとことん考えるんだ。
誰かを変えたい、誰かに認められたい、現実をよくしたい、過去を変えたい、そのすべてが、『他者』の問題だ。コントロール権は、他者にある。君にない。世界に振り回されずに、世界を振り回すんだよ」
中山「笑っていたい」
みつさん「そう、それは自己の問題だ」
中山「スッキリしていたい」
みつさん「そう、それも自己の問題」
中山「もっとよい取引先を見つけたい」
みつさん「いいねー」
中山「そしてアイツにぎゃふんと言わせたい」
みつさん「はい、ズレたよー。戻して―」
中山「営業成績を上げたい。ヒット商品を産みたい。そして、多くの人の笑顔を創り出したい。
……、あのー。なぜだかとってもスッキリしました。僕はさっきまで、どうして他者をコントロールしようとがんばっていたのでしょうか。そんなの、無理だ。変えられることなんてなくて、変わることしかできない。何か、ありがとうございました」
【今週のみつさんの智慧】
(1)結局、どうしたいのか? と自分に聞いてみる。
(2)「(謝罪)させたい」「(認め)られたい」などの他者を変える観点はNGにして、とことん自分がどうしたいのかを明確にしたら、すぐにGOALに到着できるようになる。
(3)他の人を変えようとする時間があるなら、自分の足で前に進もう
さとうみつろう●大学卒業後、エネルギー系の企業に入社。2011年、ブログ『笑えるスピリチュアル』を開始。様々なブログランキングで1位に。14年に会社を辞め、全国各地でトークショー&ピアノライブを開催。現在は那覇市在住。http://ameblo.jp/mitsulow/
※この連載は実際のDIME読者からの相談で構成しています。
文/編集部
※記事内のデータ等については取材時のものです。