『ベルギーってベネルクス三国ですよね? なんだよベネマクスって』
そしてその炭酸泉槽ともうひとつ、通称シルキーバスっていう、ほらミクロの泡でにごり湯みたいになってる浴槽が、他の浴槽とはドアで隔てた場所に設置されてて、そこは少し外気が入るような設計になっている。
でその場所には、休憩のできる樹脂の椅子が四脚ぼど置いてあるという、サウナーにもありがたいユニバーサウナーデザイン。
でさ、この『S湯』。オレが入った男湯もこれだけ強烈なのに、女湯の方が、サウナ室がロッキーサウナだっつうんだよ。まぁロッキーサウナっていうのは商品名だけど、いわゆるオートロウリュのサウナね。一定の時間ごとにストーブに水が垂れるっていうヤツ。
それはそうとうだよ。もう性転換してやろうか? っていうくらいにうらやましいよ、そこの女湯。
入りたいな〜女湯。やっぱ青山の銭湯っていったら芸能人とか叶姉妹とかも入ってるんだっぺ? 入りたいないろんな意味で。もういらねェか、オレの下半身につているこんなヤツ! どうせもう使い道も排泄以外なくなってきたし……。すいません、色々考えたら悲しくなってきました。
でもさ、男湯の方もオレが入ってる時だけで、西洋系の外人さんが二人入ってたしね。インターナショナルですよ。
そして3ラウンドほどしてすっかりいい気持ちなると、フロント横にはラウンジっぽい場所もある。
そこがまたビールとかも飲めるんだけどさ、缶ビールを自販機で売ってるのとはワケが違うよ。ベルギービールとかも飲めちゃうだぜベルギービール!!
オレなんてビールですら発泡酒だ第三のビールだしか縁がないのに、ビールときてベルギーですよ。ホッピーなんて呑んでる場合じゃないですよ、ここS湯では!!
サウナ込み料金が1000円っていうのはたしかにちょっと高いかもしれない。でもさ、サウナ入らない人なんか、いわゆる都内一律の銭湯料金だけで、炭酸泉まで入れちゃうワケですよ。これはもう“お得”という以外に言葉が見つからない!
そしてそのお得感を裏付けるように、大人気! オレが銭湯を後にする頃なんて、下駄箱が全部埋まっちゃってるらしくて、自分の靴を下駄箱から出した瞬間、女の人が、
「そのあと使わせてくださ〜い!!」
って靴持って走ってきたからね。特に女湯は混んでるんだっぺな? ちくしょー本当にしちまうか性転換!
文/カーツさとう
コラムニスト。グルメ、旅、エアライン、サブカル、サウナ、ネコ、釣りなど幅広いジャンルに精通しており、新聞、雑誌、ラジオなどで活躍中。独特の文体でファンも多い。
■連載/カーツさとうの最強サウナ熱伝