■まだまだある! トマトの「リコピン」をより多く摂取する方法
さらに、吉田さんは、トマトのリコピンをさらに効果的に多く摂取するための方法を教えてくれた。
●リコピンが多いトマトは「赤系」「完熟期」
「一般に生食用として販売されている多くの品種であるピンク系のトマトよりも、加工用トマトや多くのミニトマトのような赤系のトマトの方が多くのリコピンを含んでいます。
また、熟度によってもリコピンの含有量は大きく異なります。真っ赤に熟した“完熟期”のトマトが最も多くリコピンを含んでいます」
●リコピンの吸収率が高まるのは昼や夜より「朝」
「トマトを朝に食べると、昼や夜に食べた時よりもリコピンの吸収率が高まることが、まだ動物試験の段階ですが、明らかになってきました。ヒトでも同様の結果が得られるかどうかについては、今後検証を行って参ります」
これらのポイントを踏まえて、ぜひ善玉コレステロールを増やすべく、トマトの「リコピン」を効果的に摂取したい。将来のリスクを回避するためにも、今から予防しておこう。
カゴメ株式会社イノベーション本部
自然健康研究部・吉田和敬さん
2008年にカゴメ株式会社に入社後、リコピンを初めとしたトマトや野菜の機能性成分の機能性や吸収性の研究に携わってきた。現在は、野菜の摂取がメタボリックシンドロームに与える影響について研究を行なっている。
取材・文/石原亜香利
※記事内のデータ等については取材時のものです。