
コレステロールといえば、善玉と悪玉があり、善玉は良い影響がある働きがあること自体は広く知られている。しかし、その善玉コレステロールが実際どのような働きをするのかや、どうすれば増えるのかは、なかなか認知度は低いようだ。そんな中、カゴメがトマトの成分に善玉コレステロールを増やす働きがあるのを確認した。善玉を増やす方法が一つ見出されたが、その増やすメリットはどこにあるのだろうか? その効果的な食べ方と共に、その真相をカゴメの研究員の方に聞いてみた。
■認知度の低い「善玉コレステロールを増やす方法」
カゴメが2016年1月に発表したコレステロールに関する調査では、善玉コレステロールを増やすことを意識している人は26.6%にとどまり、その増やす方法を知っている人はさらに少なく、25%にとどまった。逆に、悪玉コレステロールを減らすことを意識している人は47.8%と比較的多かった。「善玉コレステロールを増やす」という発想は、そこまで浸透していないことが分かる。
■トマトの「リコピン」には善玉コレステロールを増やす働きが
これまでも、「青魚のEPA」や「植物性オメガ脂肪酸」など、善玉コレステロールを増やす方法は知られてはいたものの、なかなか手軽に食べられるものが少なかったり、分かりにくかったりした。
そんな中、カゴメが長年の研究成果により、トマトの「リコピン」にもその善玉コレステロールを増やす働きがあることを突き止めた。リコピンが善玉コレステロールを増やす働きのある酵素の活性を高めるというのだ。また、リコピンは同時に悪玉コレステロールを減少させ、間接的に善玉コレステロールを増加させることも期待できる。
■善玉コレステロールを増やすメリット
この善玉コレステロールを増やすと、どんな良い影響があるのだろうか? カゴメの研究員の吉田さんに、善玉コレステロールが増えた場合の影響と、増やすメリットを教えてもらった。
「善玉コレステロールは、血管内壁に溜まったコレステロールを取り除いて肝臓へ戻す働きをすることが知られています。いってみれば、余分なコレステロールを回収して処理するのを促します。血管内壁にコレステロールが溜まると、動脈硬化が発症・進行しやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞の危険性が高まります。よって、血液中の善玉コレステロール濃度が低いことは、いろいろな病気の原因となる可能性があり、メタボリックシンドロームの診断基準の一つとなっています。動脈硬化の発症や進行を防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを下げるために、善玉コレステロールを増やすことが極めて重要だと考えます」