一般的に睡眠障害は『入眠障害』『中途覚醒』『早朝覚醒』『熟眠障害』の4つに分類される。中でも『中途覚醒』は夜中に目が覚めてしまうことを指し、比較的40代以上の人に多いといわれている。ドコモ・ヘルスケアが以前、同社が提供するスマートフォン向けヘルスケアサービス「WM(わたしムーヴ)」、リストバンド型活動量計『ムーヴバンド2』利用者を対象に『中途覚醒』について調査・分析を行なったところ、中途覚醒の実態が明らかになった。
中途覚醒をしてしまう人はどのような仕事をしているのか、アンケートと掛け合わせて調査したところ、1位は経営者・役員、2位は専業主婦(主夫)、3位は自営業という結果になった。日本の睡眠医療における第1人者である、医学博士で東京睡眠医学センター長の遠藤拓郎氏によると、睡眠外来を受診する人の中にも経営者や役員が多く、その理由は『中途覚醒』の原因がコルチゾールというストレスホルモンにあるからだという。
コルチゾールには覚醒作用があり、夜中は低く、早朝に分泌のピークをむかえ、起床を促す。しかし、普段からストレスを多く感じている人は、睡眠後早い時間からコルチゾールが分泌されてしまうため、早朝の前に目覚めてしまい、これが中途覚醒につながるとしている。また、遠藤氏がこれまで診察した人は、どちらかというと真面目で几帳面なタイプが多いとのこと。一生懸命に働き、ストレスを抱えている経営者や役員の中途覚醒が多いのも納得できそうだ。
■最も中途覚醒する睡眠姿勢は“うつぶせ”。うつぶせの人は、睡眠時無呼吸症候群など睡眠障害に要注意
次に、睡眠姿勢ごとに中途覚醒していた時間を調べたところ、うつぶせの人が47.4分で最も中途覚醒をしていることがわかった。平均は42.4分のため、5分も多く睡眠の途中で覚醒していることになる。遠藤氏によると、日本人はその昔、高枕を利用してあおむけで寝ていたため、うつぶせの習慣はないそう。
逆にうつぶせで寝る人は、睡眠時無呼吸症候群の可能性も。睡眠時無呼吸症候群の人にとって、うつぶせ寝をすることは、症状の改善につながりますが、中途覚醒が多いことも分かっている。また、うつぶせ寝に加え、いびきがひどい人は睡眠外来受診の必要もありそうだ。