■人見知りでもうまくいく「話し方」のコツ
そこで、人見知りでもビジネスがうまくいく「話し方」のコツを、加藤さんに教えてもらった。
1.人見知りを公言しない
「たとえ人見知りだと自覚していても、会話の中で、あまり公言しないようにしましょう。『もっと話し方をブラッシュアップしたいです』のような表現がベターです」
2.「見られる」から「見る」にシフトする
「大勢の人の前で話すときなどに、人の視線が気になる場合、『見られる』から『見る』にシフトすると、さほど気にならなくなります。対策として、2つの目で1点を集中して見る『一点集中トレーニング』を積むのがおすすめです。ノートにペンで点を一つ書いて、それを20~30秒間見つめます。そうすると『見られる』ことへの抵抗や苦手意識が減り、『見る』ことに対しての怖さや違和感が次第に減っていきます。集中力もつく一石二鳥のトレーニングです」
3.息を吐く・ハイパワーポーズを取る
「普段から息を吐くことと、ハイパワーポーズを取ることをおすすめします」
・息を吐く
5秒~10秒かけてゆっくりと息を吐き出す。慣れてきたら吐き出すときに「おはようございます。」「お世話になっております。」などの、よく言うセリフを言ってみる。
・ハイパワーポーズ
万歳のようなポーズをして、自分を大きく見せるポーズのこと。
人間は、自信があるときや、「快」の状態のときは自然と胸を張り、自分を大きく見せる態勢をとるもの。緊張状態のときこそ、人目に触れないところでハイパワーポーズを。
4.相手の話を聞く
「聞き上手は話し上手と言いますが、まさにそうです。演説をする必要はないのです。相手の話をよく聞くことで、気持ち良く会話ができます。『私の話を聞いて欲しい』という、本来、人間が持っている承認欲求に沿って相手に話してもらい、それを受けましょう」
5.感情にフォーカスした質問をする
「質問をするときは、5W1Hの情報を引き出す『どんなところが良かったですか?』『感動したのはどのあたりですか?』のような、相手の“感情”にフォーカスした質問ができるようになりましょう。すると自然と会話も弾み、気持ち良いやりとりになります」
加藤さんによれば、話し方のコツは数え切れないほどあり、正解はないという。今回教えてくれたのは、テクニックに寄りすぎず、まずはメンタルやマインドを整えるための内容だ。
「メンタルやマインドが整って改善されれば、自ずと表情も明るくなりますし、声にも覇気が出てきます」
人見知りを自覚している人は、ぜひメンタルやマインドの面を良い方向へ向かわせることからはじめたい。
(取材協力)
加藤あやさん
Act communications代表。コミュニケーション・スピーチトレーナー。元RKB毎日放送リポーター、キャスター。元天神エフエムメインパーソナリティー。
「話し方を変えれば人生が変わる」を軸に、相手に伝わる話し方を法人向け、個人向けに伝授している。マインドからテクニック、更には年間300日以上生放送出演経験を活かし‘咄嗟の振りでも堂々と話す’ための頭の使い方なども伝授している。
http://act-communications.jp/
取材・文/石原亜香利
※記事内の情報は取材時のものです。