
日々、仕事のパフォーマンスが落ちそうになるタイミングというのは次々とやってくるものだ。しかし、ビジネスパーソンの中でも、常に高得点をたたき出すハイパフォーマーは、飲み会が続いたり、繁忙期で残業が多かったり、特別ストレスの大きい立場に置かれたりしたときでも、自然と体に良い食事テクを身に着けており、うまく対応ができているという。そんな優秀なビジネスパーソンが無意識に実践している食事テクとはどのようなものなのだろうか? これまで3000人以上のビジネスパーソンへの指導を行ってきた、管理栄養士のながいかよさんにその内容を聞いてみた。
■ハイパフォーマーに共通するのは知識ではなく「調整力」
ビジネスパーソンは、忙しい時期や特にストレスがかかる時期など、どんな状況であろうとも、常に仕事のパフォーマンスを下げない工夫をしていく必要がある。特に、食生活は重要だ。ビジネスパーソン3000人の食事指導をしてきた管理栄養士のながいかよさんによれば、仕事のパフォーマンスが高いビジネスパーソンの共通しているのは、「調整力」に優れていることだという。
「やはり、年収が高く、特に目立って活躍されているハイパフォーマーの方は、より仕事に良い影響をもたらす食事テクニックを知っている方が多いですね。根拠はわからないけれど、やってみたら調子が良かったので続けている、というようなことを、自然に実践しています。知識があることが前提ですが、それ以上に“調整力”が優れているのだと思います。また、日々の食事を、ただお腹を満たすものという視点ではなく、パフォーマンスを上げるために、いかに工夫できるかという視点で考えていることもハイパフォーマーに共通しているところだと思います」
■よくあるシーン別!仕事のパフォーマンスを上げる食事術
仕事のパフォーマンスを上げるには、“調整力”を鍛えることが重要。それを踏まえた上で、まずは、パフォーマンスを上げるには、どのような食事術があるのかを知っておこう。そこで、ながいさんに、意外と知られていないパフォーマンス向上の食事術を、飲み会続き、繁忙期、ストレスが大きい時期などの、シーン別に教えてもらった。
●飲み会が続いているとき
・飲み会前に栄養ドリンクやアーモンドを摂取する
・おつまみに漬け物を食べる
「飲み会が続いても、できるだけ不調を回避する方法です。例えば肝機能を高める“ウコン”入りの栄養ドリンクや、二日酔いを予防するマグネシウムの多いアーモンドや納豆、バナナなどを、飲み会当日の朝~昼までに摂取しておくことで、飲み会に万全に備えるということを、ハイパフォーマーは実践しています。
また、特におつまみは必要ないという人もいるかもしれませんが、二日酔いの原因といわれるアセトアルデヒドへの分解を促進するきゅうりの漬け物やたくあんなどを食べるのもおすすめです」
●繁忙期でパワーを持続させたいとき
・「これからフル回転で行くぞ!」というときにリンゴや100%リンゴジュースを摂る
・物理的に食事が摂れない場合も、焦らず、無理をせず摂取する
「常にエンジンフル回転状態を続けたいときは、体内にグリコーゲン量を増やしておくといいでよう。材料となるのはブドウ糖ですが、できるだけ血糖値が上がらない果物がおすすめです。特に血糖値を必要以上に上げず、スタミナが続くのはリンゴ。100%リンゴジュースでもいいですよ。
また、忙しくて食事が摂れないときも、ハイパフォーマーはあきらめるのではなく、だからこそ食べるものにこだわります。後で炭水化物をドカ食いのようなことはせず、体が欲するものを焦らず、無理をしないで食べる、よりシンプルな味付けのものを食べるなどして調整できるのがハイパフォーマーです」