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知られざる日本のコーヒーと喫茶店の歴史

2018.03.03

人口約10万人当たりの登録件数でみると、1位は高知県(100.62件)、2位は岐阜県(74.34件)、3位は福井県(55.27件)に。

1位の高知県は、一風変わったモーニングが知られている。パンの他におむすびやピザ、みそ汁、スィーツなどもセットされ、単純に「豪華」だと言い切れない組み合わせがあるものの、ボリュームは満点だそう。なぜなら高知県は漁業が盛んで、午前2〜3時に漁に出た人がひと仕事を終えるのが早朝。その頃に開いている飲食店が喫茶店で、肉体労働後のお腹を満たすために必然的にモーニングのボリュームがアップしたとか。喫茶店が多い理由としては、手をかけた料理を出さなくてすむ分、一人でも経営しやすいため「はちきん」と呼ばれる行動力あふれた高知県女性が開業しやすかったからとも言われている。同じように、女性一人で切り盛りしやすい美容院の登録件数でも4位(人口10万人当たり、2016年7月時点)と、独立心旺盛で働き者の女性が多いことを裏付けている。

2位の岐阜県に喫茶店が多いのは、喫茶店文化の色濃い愛知県の影響が。それは、愛知県一宮市で織物業が盛んだった1950年頃、稼いだお金を隣接する岐阜県の歓楽街・柳ヶ瀬(やながせ)で夜通し使い、翌朝にコーヒーを飲んで帰る人が多かった名残だとか。織物業の時代が終わっても、モーニングサービスを豪華にすることでお客さまをつなぎ止めるなどの努力を怠らなかったため、現在でも喫茶店が多いのだ。しかも岐阜県は、総務省統計局の家計調査(2010〜2012年度)によると、すし、和食での支出費は全国1位で外食費全体が多い県。外食を娯楽と捉える意識が強いこと、3世代同居の割合が全国平均よりも高く共働き世帯が多いことが背景にあるようだ。

3位の福井県は、カフェの多さでも5位。また福井県は、2010年の国勢調査によると共働き率、3世帯同居率ともに2位で、世帯年収が多く家族数も多いことから、手軽な外食として喫茶店を利用することが多いと予測できる。

■フルサービスの喫茶店が復活?

セルフサービス式に席巻された喫茶店だが、このところ郊外を中心にスタッフが客席で注文を取り、運んでくれるフルサービスのお店が再び増え始めているという。団塊の世帯がリタイアしたことでゆとりあるシニア層が増えたこと、地域コミュニティの場としての空間を喫茶店が担っていることなどが理由のようだ。首都圏中心の銀座ルノアールが展開する「ミヤマ珈琲」は、東京と埼玉で5店舗を直営、2015年9月にはフランチャイズ第1号店として熊本への地方進出を果たした。同店は、店舗のコミュニティボードを活用し、地域コミュニティに役立つ情報の発信や、英会話、フラワーアレンジメント、珈琲教室講座などコミュニティサークルの開催も店内で行なっている。会話や笑顔、感謝が生まれる空間を提供することで、誰もがくつろげる快適空間を作り上げている。

文/編集部

 

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