■連載/阿部純子のトレンド探検隊
変遷が激しいダイエット市場の中で、昨年10周年を迎えたダイエットサポート食品「スリムアップスリム」。スリムアップスリムのコンセプトである「健康的にキレイに」を体現する、40~50代の“大人女子”向けオリジナル運動プログラム「美・くびれ エクササイズ」の動画コンテンツが、2月27日よりスリムアップスリムの会員サイトで公開された。
プログラムの監修は整形外科医、スポーツドクターとして、トップアスリートの指導や治療にあたる傍ら、テレビ、雑誌などでも幅広く活動している中村 格子さん。中村先生による、大人女子に多く見られる“おたるみさま”“おふとりさま”の実態と解消法について講演の様子を紹介する。
◆“太っている”と“たるんでいる”は似て非なるもの
多くの女性は体重が重いか軽いかで、太っているか痩せているかを考えている。160cmだったら48kgじゃないといけないから、あと何kg痩せなくちゃというのがみなさんがおっしゃること。体重の重い、軽いは健康のひとつの指標に過ぎない。肌にハリがあるのか、たるんでいるのか、実はこれがとても重要なこと。
体重が重いが肌にハリがあるのは筋肉が多いということなので若々しく見えるゾーン。ハリがあり体重が軽いのは、筋肉はあっても脂肪が少ないので、モデルさんにように美しく見えるゾーン。体重は軽くても肌がたるんでいる人は、筋肉が少ないということなので老けて見える“おたるみさま”。体重が重くてたるんでいる人は醜く見えてしまう“おふとりさま”になる。
おふとりさまが食事だけで20代と同じダイエットをしても筋肉は増えないので、ダイエットをするたびに崩れていく現象が起こる。おたるみさまは痩せているのに、おなかの肉が気になると言ってダイエットするが、筋肉少ないうえに運動が嫌いなので、ますます老けて見えてくる結果に。
おたるみさまやおふとりさまが生まれる原因は、年齢と共に筋肉量、基礎代謝量、歩数といった活動量が変化することにある。筋肉は基礎代謝の4割で、残りは内蔵など意識しない場所で使われているので、筋肉量をいくら上げても筋肉を使わなければ、1日のエネルギー代謝は変わらず、基礎代謝が大幅に変わるのは難しい。歩数などの活動量も年齢によって下がってきて、40~50代の女性の基礎代謝量は小学校4年生と同じ程度だが、食べる量は変わらず、いいものを食べることも多いので、太ったり、たるんだりするのは当然のことになる。
みなさんが勘違いしているのが、体の中の脂肪が増えたから食事で減らさなくてはと考えていること。脂肪は3種類あり、皮下脂肪、内臓脂肪、そして一番たちが悪いのが筋細胞外脂肪(EMCL)。EMCLは筋肉の中の脂肪、いわゆる霜降り状態のことで、皮下脂肪、内臓脂肪はまったく質が違う。内臓脂肪が増えた場合は食事を少し減らせばガタンと体重を減らすことができるが、EMCLの場合、食事を摂り過ぎて多くなっているのではないというのがやっかいなところ。
「筋サテライト細胞」という筋肉の元となる赤ちゃん細胞は、栄養を与えて運動してあげることで良い筋肉に育つが、良い栄養も与えられず、運動もしないと筋肉が不良化してしまい霜降り肉になってしまう。運動をしなくて質が変わってしまった脂肪なので、食事を減らすだけのダイエットでは、脂肪を減らさず食事量を減らすため筋肉を栄養源にしてしまい、筋肉がますます減っていく。食事を減らすことで筋肉が減って筋肉の中の脂肪が増えるという最悪のたるんだ状態に変わってしまう。