現代ビジネスパーソンは、長時間のPC利用の仕事スタイルから、運動不足になりがちだ。今、多くの人が不眠に悩まされているといわれているが、「睡眠圧」が下がっていることも原因だ。そこで、一般的な会社員が、睡眠圧を生活の中で上げる方法を、睡眠改善インストラクターに教えてもらった。
■睡眠圧が下がっている原因は?
人は、起きている時間が長いほど「睡眠圧(すいみんあつ)」が高まっていく。そして睡眠圧は、起きている時間の覚醒度が高いほど高くなり、その圧力が高ければ高いほど、より深く眠りやすくなる。
しかし、現代ビジネスパーソンは、この睡眠圧がそれほど高まらず、夜、眠りにくくなっているという。その原因はどこにあるのだろうか。今回教えてくれたのは、一般社団法人日本眠育普及協会の代表で、睡眠改善インストラクターの橋爪あきさんだ。
「睡眠圧を高めるためには、第一に、体が疲れることが必要です。ただし、適度な疲労でなくてはなりません。しかし、ほとんどのビジネスパーソンは、PCや事務作業で、体全体を動かすことが少なく、適度な運動量さえ足りないといえます。さらにビルの中にいて、外気や太陽光に当たる時間も少ないので、これも睡眠圧の不足につながります。また、睡眠圧を高めるには、体だけでなく、脳の適度な疲労も必要です。しかし、むしろ過度の脳疲労やストレスが交感神経を高ぶらせ、寝つきを妨害してしまう傾向にあります」