DIME MAGAZINE
◎病気だけでなく、二日酔いを軽減する効果も
「水素は細胞傷害性酸素ラジカルの選択的還元により治療に有効な抗酸化剤として作用する」としたこの論文は、世界中の研究者をあっと言わせた。水素の活性酸素に対する効果が実験によって明らかにされたからだ。
ビタミンCのように活性酸素を除去できる抗酸化物質はあるが、悪玉活性酸素だけを除くものは水素しかなく、水素水ブームに一気に火がついたのである。
「水素水には、副作用がないという大きな特徴があります。しかも、悪いところだけに過不足なく効いてくれる。いいことずくめで、むしろ、よすぎるところが問題というぐらいなんです」（太田教授）
現在、活性酸素が一因となって起きる脳梗塞、心臓病、認知症、糖尿病、肝炎など様々な病気に対して、内外の多くの医療機関が水素水を使っての臨床試験を行なっている。
とりわけ、この5〜6年でその数は急増し、また成果も出始めている。パーキンソン病、リウマチ、メタボリックシンドローム、筋肉疲労など、臨床効果が認められているものも少なくないのである。現在は、臨床効果の実例が次々と発表されているという状況だ。
二日酔いにも効果はある。水素水が手放せないという40代後半の会社員はこう証言する。
「たくさんお酒を飲んだあと、寝る前に300から500ml飲んで寝ると、翌朝が明らかに体が楽なんです。普通の水を飲んで寝た日とは違うという実感があります」
プラセボ効果だという声もあるが、少なくとも私は、飲酒後の二日酔い軽減効果を実感しているし、悪玉活性酸素を除去するということを考えれば、効いていることは間違いない。
◎水素水の効果はその濃度で決まる
市販されている体に取り入れる水素は、主に次の4種類だ。
●パウチやボトルに入ったもの
●カプセルなどの錠剤
●水素発生剤を水に入れて作るもの
●サーバーによる水素生成器
最も一般的なのは、やはり、パウチやボトルタイプの水素水ということになるが溶存水素濃度にはメーカーによってバラツキがあるのも事実だ。ゆえに、よく濃度を確かめてから選ぶといい（市販されている簡易検査キットを使うと大まかな数値がわかる）。一般的にアルミ製の容器、特にパウチは水素が逃げにくい。また、水素自体は無味無臭のため、水そのものの味が重要で、名高い水源地のもののほうがやはりおいしい。
サーバーは初期費用がかかるし、場所もとる。もし、買って効果がないとわかった時（効果に疑問符がつく製品も販売されている）の打撃は少なくない。
錠剤は持ち運びに便利だし、場所を選ばず飲める利点がある。
私自身は、水素発生剤を水に入れる水素水を愛飲している。海外に出る時にも空のペットボトルと発生剤だけを持って行けばいいので便利だ。また、溶存水素濃度が高く、効果も絶大。半日から1日前に作らなければ十分に水素が発生しないのが唯一の難点か。
水素水の効果は、その濃度で決まる。パウチの場合、マックスが1.6ppmだから、これに数値が近いほど効果が期待できる。
注意しなければならないのは、水素と銘打ちながら、実際には身体に作用しないものもあることだ。太田教授はこう警告する。
「よく聞くマイナス水素イオン、活性水素、プラズマ水素は、特殊な条件でしか存在しえません。体内では存在しえないので、当然その手の水素水に効果は期待できないわけです」
たった今、この時にも、世界中の医療機関で水素水の研究は続けられている。今後、数年のうちに、健康分野、医療分野において、水素水の重要度はさらに増していくことは間違いないだろう。
最新号
