■50年、60年と続くロングセラーになるために
さて、販売から40年を迎えようとしているすし太郎だが、先々が明るいとは限らない。
ライバルの動向、食への嗜好の変化など乗り越える壁は多々ある。
國井さんに伺うと、「すし太郎の名前を知らないお客様は少ないと思いますが、食べられたことがない方が多いのでは?」と語ってくれた。そのため、「新作レシピの開発や、新商品の開発は欠かせない」という。
さらに、広報室の松山さんによると「CM戦略など、永谷園全体のバックアップも不可欠」だという。
にんじん、れんこん、しいたけ、たけのこ、かんぴょうをバランス良く揃え、酢でキリっと引き締めたすし太郎は、50周年、60周年を迎えるため、ロングセラーに甘んじることなく進化し続けていくのだろう。そして、子供から大人まで、みんな大好きな寿司文化をおいしく盛り上げてくれるであろう。
文/中馬幹弘(ちゅうま・みきひろ)
アメリカンカルチャー誌編集長、アパレルプレスを歴任。徳間書店にてモノ情報誌の編集を長年手掛けた。スマートフォンを黎明期より追い続けてきたため、最新の携帯電話事情に詳しい。ほかにもデジタル製品、クルマ、ファッション、ファイナンスなどの最新情報にも通じる。