ところで、ショートボディーのV220dではなく、ロングボディーのV220d Sport Longを薦める最大の理由がフットワーク。こちらはAMGラインが装着され、タイヤもV220dの17インチから19インチに格上げされる。おかげでショートボディーと共通する、最小回転半径5・6mの小回り性の良さはそのままに、より以上のステアリングの応答性の良さ、曲がりやすさ、および車高、重心高を感じにくい、カーブやレーンチェンジ、山道での路面に張り付くような走行感覚、運転のしやすさと安心感が手に入るからだ。
男だって気になる実燃費性能は、市街地20%、すいた高速道路80%の走行で14.0km/Lを記録。アルファード・ヴェルファイアのHVエグゼクティブラウンジはモード燃費こそ上回るが、実燃費ではやや下回るのだから、このVクラスは男に、スーツに似合う存在感、高級感、迫力だけでなく、経済性でも見るべきものがあるということだ。例によって後席は取り外しが可能だが、シート、作業はかなり重いが、男なら筋力トレーニングと思えばいい・・・。
文/青山尚暉
モータージャーナリスト。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。自動車専門誌の編集を経て、現在、モータージャーナリスト、愛犬との快適安心なカーライフを提案するドッグライフプロデューサーのふたつの肩書を持つ。小学館PETomorrowでも「わんこと行くクルマ旅」を連載中。最新刊に「愛犬と乗るクルマ」がある。