まだまだ厳しい寒さが続きそうだが、外出するのが億劫だという人も多いだろう。しかし、最近自分のお腹周りが気になっているという人はいないだろうか? そんなあなたに朗報なのが「冬は痩せやすい季節」ということ。寒さと友達になって、ぜひ理想的な生活習慣を送りたい。そこで、冬が痩せやすい理由を、医師の見解と共に見ていこう。
■冬はなぜ痩せやすい?
冬は一年のうちでも、痩せやすい季節といわれている。その理由をダイエット専門院・渋谷DSクリニック 院長の林博之先生に伺った。
「1日の消費カロリーの大部分(約6割)は運動により消費するカロリーではなく、基礎代謝(=生命維持のために何もしなくても消費されるカロリー)です。寒い冬の間、春夏に比べれば外に出る機会も減っていきますが、実は年間を通じての基礎代謝量は、冬が一番高いとされています。諸説ありますが、春の基礎代謝を100とすると夏は95、冬は105ほどになります。これは外気温が下がるほどに、それに伴って体温が下がらないよう、体内で熱を産生し体温を維持しようとするためです。活動量が低下する季節ながら、活動量をセーブすることなく続けていれば、冬はダイエットを効率良く行える季節といえます。逆に寒いからといって筋肉を動かすことなく、暖かい部屋でずっと怠けてしまう…なんてことをしていると、体はより冷えて脂肪を溜め込みやすくなってしまう可能性もあります」
■おじいさんの薄着健康法はウソじゃなかった!
冬は基礎代謝が上がりやすく痩せやすいことが分かったが、薄着で過ごすことでより効果を上げられることが期待できる。岐阜聖徳学園大学短期大学部の准教授 松田繁樹氏のテキストによれば、研究で薄着で過ごしている幼児は、風邪にかかりにくいことがわかっているという。薄着で過ごすと、体温調節能力が高くなるため、寒さへの抵抗力が生まれ、ちょっとやそっとの寒さではビクともしなくなる。つまり、健康効果も見込めるというわけだ。
昔は、おじいさんが真冬に平気で半そでで外を歩いていたり、裸で乾布摩擦をしたりする姿を目にすることがあったが、これも同じく体温を上げて健康促進を狙う行動である。乾布摩擦をすると自律神経が刺激され、血行が良くなり、体温を上昇させるため、基礎代謝が上がるだけでなく、免疫力アップにもつながるといわれている。
ただし、体温調節能力は幼少期の環境や過ごし方次第で決まってしまうともいわれているので、大人の中には、薄着に耐えがたい人もいるだろう。できる範囲で、この冬、半そでで過ごして脂肪燃焼しやすく健康的な体を手に入れてみたいものである。