
今、「塩豆腐(しおどうふ)」なるものが流行っているのをご存知だろうか? 塩豆腐とは、豆腐に塩を振って一晩置き、水分を抜いた状態にしたものである。作り方も見た目も実にシンプルだが、その味わいは意外なほどおいしいといわれている。
そこで、塩豆腐が作られるメカニズムや作り方、そして魅力やアレンジ法などに迫ってみたい。
■まるで濃厚なチーズ?塩豆腐が作られるメカニズム
塩豆腐の作り方は簡単だ。スーパーやコンビニエンスストアで絹ごし豆腐を一丁購入して、自宅にある塩を小さじ1程度、全体に振って豆腐になじませる。キッチンペーパーで豆腐を包み、購入した豆腐の容器か、深さのあるタッパーなどに入れて、ふたをしないで冷蔵庫に入れておこう。一晩経つと、水が抜け、塩が豆腐に浸透した状態になる。
これが塩豆腐と呼ばれるものだが、まるでモッツァレラチーズのようで、もちもちして豆腐らしからぬ食感が生まれると評判。豆腐に含まれる大豆たんぱく質には塩に溶ける性質があることから、豆腐の内部で組織が溶解することで、なめらかさが生まれるのだそうだ。さらに驚きなのは、熱を加えると大豆たんぱく質がさらに溶けるので、より一層クリーミーさが増すこと。簡単に作ることができるのにもかかわらず、かなり奥深い食材だ。