『嫌われる勇気』『幸せになる勇気』の売れ行きが止まらない。ビジネスパーソンは「アドラー心理学」をどのように役立てるべきなのか。本には記されていない「14の教訓」も紹介していく。
アルフレッド・アドラー
オーストリアの精神医学者(1870~1937年)。フロイト、ユングと並ぶ心理学の3大巨頭のひとり。フロイトの性欲中心の学説に反対し、「個人心理学」を立ち上げた。
(右)『嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え』
著/岸見一郎、古賀史健 ダイヤモンド社 1500円
迷える青年と哲人との対話形式で進むシリーズ第1弾。アドラーの思想を柱に、人生の悩みを解き明かす。
(左)『幸せになる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教えⅡ』
著/岸見一郎、古賀史健 ダイヤモンド社 1500円
前著『嫌われる勇気』のアンサー本となるシリーズ完結編。どうすれば幸せになれるのか、明快な答えを導き出す。
◎アドラー心理学は対人関係の処方箋
『嫌われる勇気』が世に出たのは、2013年12月のこと。哲学書のジャンルに入る本でありながら、たちまちベストセラーとなり、世にアドラー心理学ブームを巻き起こした。
著者の岸見一郎さんいわく、アドラー心理学は、「対人関係に焦点を当てたシンプルかつ実践的な心理学」とのこと。
「私たちは、職場や家庭、日常生活で様々な悩みを抱えていますが、それを丁寧に紐解いていくと、すべて対人関係の悩みに帰結するのです」
上司や部下との人間関係、妻(彼女)との関係、子どもとの関係……。たしかに、人間関係のつまずきが、そのまま人生のつまずきとなっている。
では、どうしたらいいのか。岸見さんと一緒にアドラー心理学による解決策を見ていこう。
岸見一郎さん
1956年京都府生まれ。哲学者。京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学。日本アドラー心理学会認定カウンセラー、同学会顧問。『人生を変える勇気』など著書多数。