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電気シェーバー『ラムダッシュ』15年の歴史を振り返る

2017.01.28

4枚刃ラムダッシュ ES8259(2007年)

独自の刃加工技術を駆使した4枚目の刃「フィニッシュ刃」を搭載。この刃は業界初となる3Dパターン加工技術により、外刃表面の一部を凹凸化。肌への負担を軽減した。

−−そもそも、なぜ刃を3枚から4枚に増やしたのですか?

清水 最大の目的は〝早剃り〟ですね。刃を増やせばヒゲを捉える機会が増えますから、同じ場所を何回も往復する必要がない。つまり、3枚刃よりも4枚刃のほうが早く剃れるということです。ただし、「ES8259」では単純に刃を増やすのではなく、さらに深剃りができるようにフィニッシュ刃という刃を新たに開発して搭載しました。

−−その特徴を教えてください。

清水 従来の外刃の厚さは60μmで均一だったのですが、フィニッシュ刃は部分的に41μmとすることで、ヒゲをより肌から絞り出せるようになりました。

−−19μm分の〝段差〟を付けた、ということですか?

清水 そうですね。全体を41μmにするとヒゲだけでなく、肌も内刃に触れやすくなるので、ヒゲは剃れるが肌も傷めやすくなります。実際、試作段階で均一の薄刃にしたところ、肌にストレスを感じました。


「フィニッシュ刃」の構造模型。丸囲みの部分のように19μm分の〝段差〟を付けた。

−−それは設計の過程で試されたのですか?

清水 試しましたね。この段差の位置も、かまぼこ状になった刃の頂点付近に付けるのか、あるいは少し下った辺りに付けるのかなど、多岐にわたって検討しました。当時から刃を薄くすれば深剃りは効くが、肌に負担がかかる。逆に刃を厚くすれば肌への刺激は低減されるが、(ヒゲが絞り出せないので)深剃りできない、ということはわかっていたので、これを解決するために開発したのがフィニッシュ刃ということになります。

−−ちなみに清水さんはモーターも担当されていましたが、刃とモーターでは、どちらが大変でしたか?

清水 モーターは理詰めで計算していけば、その通りの結果が出ます。刃は理論だけではなく、実際にやってみないとわからない部分が多い。ですから刃は職人技というか、先人たちの積み重ねがあってこそ、ここまで来られた、という思いがあります。

こうしてES8259で4枚刃となったラムダッシュだが、その進歩は止まらない。2011年発売の「ES-LV61」でついに〝5枚刃時代〟を迎える。

5枚刃ラムダッシュ ES-SV61(2011年)


新たに「くせヒゲリフト刃」を備えた、画期的な5枚刃シェーバー。肌への平均圧力が約13.2%低減したほか、剃り時間も平均で約3分の2に短縮され、スピーディーなシェービングを実現した。

−−ES-SV61から「くせヒゲリフト刃」が搭載され、5枚刃ラムダッシュ時代を迎えます。

清水 4枚刃が3枚刃よりも早く剃れるように、5枚刃もまた、4枚刃よりも速く剃ることができます。ただし、これも4枚刃の開発と同じですが、単純に同じ刃を増やすのではなく、新たに「くせヒゲリフト刃」を開発しました。

−−では、「くせヒゲリフト刃」はどのような機能を持っているのでしょうか。

清水 アゴ下など、寝た状態ヒゲの下に入り込み、ヒゲを起こして刃に取り込むという、いわば櫛のような働きをします。刃数を増やせば早剃りはできますが、どうしても寝たヒゲは残りやすいので、結果的に何回か往復してしまいます。これを1回でキャッチすることができれば、という発想でした。


「くせヒゲリフト刃」の構造模型。これも数回の工程を経て、1枚の板から成型される。μm=0.001mmの世界で正確に鍛造を繰り返すには、当然のことながら極めて高い技術が要求される。ちなみに「くせヒゲリフト刃」の厚さは30μm。

清水 もうひとつ5枚刃の特徴ですが、5枚刃の幅をそれぞれ、寸法でいえば1.2mm狭めています。しかも刃面が肌へよりフィットするように、丸みを持たせた「マルチフィットアーク刃」となっていますから、この刃だけでも数多くの技術が投入されているのです。そして5枚刃では、シェービングの機能に加えて「圧力分布」にも配慮しました。ヘッドの面積が広いので、同じ力で当てた場合と比較して、1枚あたりにかかる押し付け力が低減される。結果的に肌を傷めにくくなる、という考えです。

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