『心を込めず、拭けよ体を!』
サウナ&水風呂上がりにユッタリ休憩していてね、「あ〜気持ちいいな〜」と忘我の精神状態に達していて、もうそのまんまの極みで浴室から出ようという時! 急に我に帰るというか、現実に引き戻される行為がある。
それが“タオル絞り”だ!! みなさんそう思いませんか? そりゃあマナーもへったくれもなく、体濡れたまんま浴室から出て、脱衣所でバスタオル使って体拭ければいいですけど、そんなワケにはいかないでしょ? バカじゃないんだから。
浴室から出る時には、脱衣所の床をビショビショにしないように、出口の寸前でエチケットとしてタオルを絞って体拭いて、それでも体拭ききれなくて、また絞って拭いて、また絞って拭いてって3回くらいするじゃない?
あの絞る時! 腕に力を込めることで“忘我の境地”が瞬時に消えませんか? 真剣になって体を拭いている時、ヤケに現実になっている自分がいませんか? オレはもう気持ちよさがこの行為で消えてしまう。もはや一瞬にして霧散するッ!!
そこでオレ浴室の出口前で立ってタオルを絞るのを辞めました!
どうするかというと、もうこの後は浴室を出ようという最後の休憩をしている時に、タオルも力なんか入れないでテキトーに座りながら絞ってます。心込めないで絞ってます。フニャフニャ気分で絞ってます。そして絶対に真剣にならないで、休み休みテキトーに体を拭います。むしろ拭きながら忘我を楽しんでおります。。するとね、タオルをあんまり絞らなくても、だらだら長時間かけて拭いてると、体って乾いてくるんですよ。
それで体の水分が乾いたら、初めて休憩状態からおもむろに立ち上がり、のんびりと浴室から出る。
まぁ、最後に浴室から出る瞬間、足の裏の水分くらいは拭くけどね。でもこうすることで、気持ちよさの持続する時間がヤケに長い!!
低いイスで休憩しながら、最後の休憩はダラダラと心込めずに体を拭きながら過ごす。娘よ、このことをよく覚えておきなさい。(ネルー元インド首相から娘インディラへの手紙)
文/カーツさとう
コラムニスト。グルメ、旅、エアライン、サブカル、サウナ、ネコ、釣りなど幅広いジャンルに精通しており、新聞、雑誌、ラジオなどで活躍中。独特の文体でファンも多い。
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