■お金が貯まる家=コミュニケーションのある家
そして本書のユニークなところが、住む人を幸せにする家のつくり方を悩み別に解説した特別編の存在である。悩みとは、恋愛・結婚、子供の教育、夫の浮気、仕事、お金、人間関係、など。家のつくり方というと、間取りや方位といったテクニカルな内容を想像してしまいがちだが、ここで語られていることは、そういうことよりもむしろ家での暮らし方。どういう暮らしをすれば悩みから解放されるか、ということを、スピリチュアルな視点から説いている。
例えば、「仕事がうまく回る家」について著者は、
「働き手を立てるだけでなく、さまざまな悩みを打ち明けることのできる信頼関係を培っておくことこそが仕事に対する意欲と直結しています。家は箱にすぎません。家という空間を心と体を癒すことのできる魔法の箱にできるかどうかは住人の心がけ次第なのです」(特別編133ページより)
と説く。では、著者が言う住人の心がけとは何か? それは、働き手のモチベーションを高める感謝の言葉だ。仕事から帰ってきたら、「ご苦労様でした」「今日も一日お疲れ様でした」と労い、会社に送り出すときに「今日も一日、頑張って!」と伝える。
また、「お金に困らない家」では、「お金が貯まる家=コミュニケーションのある家」と解説する。著者によれば、
「お金の縁は人の縁。人との縁を繋ぐために食事を振る舞うなど、生き金を使うという発想こそがお金に困らずに生きて行くコツだと言えるでしょう。消費を抑えるためには、家族間で家計をオープンにし、今月はあといくらしかないと危機感を共有すること。その上で、コレは生活必需品だけれど、コレは我が家にとっては贅沢品だと話し合うことも必要でしょう」(特別編135ページより)
という考えが、「お金が貯まる家=コミュニケーションのある家」の根拠になっている。とはいえ、結婚して子供ができ小遣い制となると、自由に使えるお金が少なくなってしまいがち。人との縁をつなぐために使うといっても余裕がないのが現実だろう。しかし、そうだとしても、「自分のために使ったお金は返ってこない、人のために使ったお金は回るということを覚えておきましょう」(特別編135ページより)という言葉は肝に銘じておきたい。
そして、これも本書のユニークな点だが、メッセージ付き「家内安全」護符シールが付属。観音経の一節である「念彼觀音力(ねんぴかんのんりき)」と印刷され、家に貼り災いから家を守るのに使える。また、シールを剥がすと、その下から現在必要なメッセージが現れる。果たしてどんなメッセージが現れるか? これを楽しみにするのもいいだろう。
■関連情報
『自分の家をパワースポットに変える最強のルール46』
小学館刊/江原啓之著
1200円+税
http://www.amazon.co.jp/dp/409388420X
文/大澤裕司