■コンデンサーの容量をどうするか?
一般的な考え方でいくと、フルレンジの周波数帯域と被らないようにクロスオーバー周波数を決めて、フィルタースロープを6dBにするか12dBにするかを決める。コンデンサー1個なのでフルレンジの高域は自然のロールオフにまかせる。またハイカットフィルターなし、能率を揃えるための抵抗も可変アッテネーターも入れない、インピーダンス補正もなしとする。今回は6dBカットとして「ネットワーク設計プログラム」を使わせてもらいコンデンサーの容量を算出した。まず、クロスを1.6kHzに設定すると、C=1.2μF、1.3kHzだと1.5μFになるので、キリのいいところで1.5μFに決めた。さらに、大人の実験室での試聴結果を参考にして、0.47μFも加えることにした。計算式に当てはめるとクロスは4.2kHzとかなり高めである。
次にコンデンサーのブランドである。アンプやDACの内部部品より、スピーカー直前に入るので部品による音質変化は大きそうな気がする。Webサイトなど評判がよく、滅茶苦茶高額なものは避けて、選んだのが下記のコンデンサーだ。ちなみにU-CONはたまたま自宅で発掘したので加えた。コンデンサーはスピーカー&関連パーツの専門店「コイズミ無線」で購入した。
PARC Audio(日本)『DCP FC001-047』0.47μF 248円
mundorf(ドイツ)『M-CAP/630V』0.47μF 617円
SCR(フランス)『SOLEN 630VDC』0.47μF 439円
PARC Audio(日本)『DCP FC001-150』1.5μF 348円
Jantzen Audio(デンマーク)『Z-Standard Cap-1.5』1.5μF 230円
Pioneer(日本)『U-CON U』2.3μF 不明
2inchのPYRAMID『TW47』はこんな巨大だった。これなら1inchモデルでもよかった。
Dayton Audio『AMT3-4』は能率の関係でFOSTX『P1000-BH』にFOSTX『FF105WK』を組んだバックロードとの組み合わせの方がバランスがよかった。
ツイーターとコンデンサーが決まったところで、いよいよ試聴する。とここでコーヒーブレイクして後編(9月15日公開)に進もう!
文/ゴン川野
オーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!