■研究結果
BearHorn『TBW-1000SPD』は、ビギナーにも作りやすいバックロードホーンのキットで、無塗装でもキットには見えない完成度と量感のある低音を聴かせてくれる。同じユニットを使ったFOSTX『P1000-BH』と比較してみよう。本機は『model P1000』用に作られたバックロードホーンのエンクロージャーでサイズは幅14.5×高さ34.3×奥行き21.6mm、2.9kg。完成品でユニット別売、1台7000円×2で1万4000円。内部配線済み、吸音材も貼り込み済みで、ユニットを結線してフロントバッフルにネジ止めするだけで完成するお手軽バージョン。ユニットなしのBearHorn『TBW-1000』1万2000円とほぼ同じ価格帯だ。
FOSTX『P1000-BH』はクッキリした音で音像定位がシャープ。高域はヌケがよく解像度が高い。これに対して低域の量感は不足気味で全体的にはこぢんまりとまとまりやすい。BearHorn『TBW-1000SPD』は、大容量のメリットを生かした量感ある低音が魅力。バランスは中低域よりで、組み上げたばかりでユニットも新品ということもあって音色は硬質だ。ボーカルの音像定位は『P1000-BH』よりもシャープだが、解像度では負けている。低域は量感があって、左右の広がり感もあり、スピーカーの外側まで音が広がる。初めて聴いた人なら10cmフルレンジでこんな低音が出せるのかと驚くに違いない。初めて作るバックロードホーンキットとしてオススメ。スーパーツイーターを追加することで手軽に音質向上がはかれる。
●ダボ構造のキットはビギナーでも作りやすい
●トールボーイは低音再生に有利
●フルレンジ1発は音場感が非常にいい
●自分で作ったスピーカーはいい音に聞こえる!?
T研究員の建築中リスニングルームに持ち込んで試聴。24畳の部屋でも満足できる大音量再生ができた。T研究員の感想は「このキット安すぎじゃないの!」
文/ゴン川野
オーディオ生活40年、SONY『スカイセンサー5500』で音に目覚め、長岡式スピーカーの自作に励む。高校時代に150Lのバスレフスピーカーを自作。その後、「FMレコパル」と「サウンドレコパル」で執筆後、本誌ライターに。バブル期の収入は全てオーディオに注ぎ込んだ。PC Audio Labもよろしく!