■Introduction
前回は16cmフルレンジを使った高さ90cmの本格派バックロードホーン『BW-166』を作成した。キットの難易度は高くないのだが完成後が問題。大きさと重さを考えるとおいそれとは注文できない。そこで今回はグッと敷居を下げて、片手で持てる重さ、幅14×高さ66.2×奥行き20cm、実測約4.6kg(ユニット込み)のトールボーイ型バックロードホーンキット『TBW-1000SPD』を組み立てる。その特徴はフロントバッフルと天板にシナ合板を採用。サイドと座板は木目調仕上げなので組み立て後は塗装不要。さらにキットに必要な10cmフルレンジスピーカーユニットが付属して1万9900円(税込)の超ハイコスパなのだ。スリムなので置き場所を選ばず薄型大画面TV用スピーカーにも使える。音道は約1.8mもあるのでバスレフとは違った開放的なバックロードの低音が楽しめるはずだ。
■Concept
BearHornのウリはダボ構造を採用することで部材点数を減らすと同時に工作精度を上げて、誰でもカンタンに完成度の高いエンクロージャーができること。このキットは1本12枚×2の合計24枚の板材で構成されており、その板のカット誤差は0.02mm以下に収められている。組み立て時間の目安は3時間、乾燥も含めて休日が1日あれば完成できる。付属するユニットはFOSTX製でStereo誌の付録として特別に設計された『model P1000』である。スピーカー取り付け穴はφ94mmで手持ちのユニットを使うのであれば、ユニットレスの『TBW-1000SP』1万7000円(税込)も用意されている。
■Construction
組み立てに必要なのは、どのキットでもそんなに変わりはなく、木工用ボンド、ウエス(雑巾、ボロ布)、重石、プラスチックハンマー、ハタガネとなる。まあ、ハタガネとプラスチックハンマーはなくてもよいが重石は必ず用意しよう。ユニットの取り付けにはマイナスドライバーが必要になる。
これが組み立てに必要な板材。これらの部材を組み立てた後に座板をネジ止めすると完成する