■連載/ゆとりのトリセツ
忙しい紳士にとって身近な七不思議といえば、毎年増えるニューカマーの生態と、毎時間で劇的に変化する女性の心境なのではありませんか。中でも、場所を選ばず繰り出される、オンナの「だんまり」と「別に」攻撃に、長らくオトコは振り回って来たようでございます。
そこで今回のコラムでは、男女で脳の構造が違う云々ではなく、頻繁に襲って来るオンナの面倒な攻撃を、如何に対処するかなんて事を綴って参ります。来る襲撃に備え、一読していって下さいませ。
【女が黙る、その理由】
何の前触れもなく口数が極端に減り、不穏な空気を放ち始める彼女に慌てふためいた……。
男性なら必ず経験する場面でございます。理由なんて話してくれるはずもなく、自分に心当たりがないものだから余計に不可解でありましょう。単刀直入に言いますと、女の口数が減るのはご機嫌が傾いているからであります。無口に突入する頃にはソレは完全に倒れており、こうなると立て直し作業は至難の業。なす術なしと見たオトコからも鬱屈した空気が漏れ出し、敏感にそれを察知したオンナの逆切れを誘う、というアリ地獄に嵌ってゆきます。
さて、女が不機嫌になる理由は多岐に渡っておりまして。聞いた所によると、
「クッキー食べてる顔がイラッとした、調子乗って喋り倒しているのが腹立つ、笑った顔が汚い」
など、どうしようもない些細な事から、
「重たい荷物を運ばされた、雑用ばかり押し付けてくる」
など我が儘の様な理由まで、実に細かな事柄が挙ってまいりました。知らぬ間に、イライラと無言を重ねているわけでありますね。
そしてこの塵の様な理由、凄い勢いで積もります。時間をかけて膨れ上がるのは、また別の種の不満でありまして、二種類あるというだけで恐ろしい事実でございます。
【だんまり、からの「別に…」攻撃】
もはやお約束といってもいいこの流れ。どうしたのか、何か悪い事をしたか、痺れを切らして聞くオトコに「別に…」と、言葉とは裏腹な声色でぶつける技でございます。不貞腐れたその横顔に、鋭い溜め息が漏れたという男性は少なくないでしょう。
実は、心に積もった理由のあれこれが理不尽であることを、オンナはちゃんと認めておりまして。まさか逐一相手にぶつける訳にはいかん、と理性が働くのですね。上で連立させた理由を突然女性に言われたら、色々なものを見失うでしょう。笑顔否定されたら、もう、生きている事を否定された気さえ致します。
また、理由が些細過ぎる故、内容を忘れてイライラだけ募っているというケースもございまして。そうなると、尤もな理屈がありませんから「何かムカつく、解んないけどイラつく、すごい嫌」といった具合に、空のアルミ缶の様な言葉が飛んでくるわけでありますね。