シンガポール航空は、世界で初めて2007年10月に総2階建てのエアバスA380型機を受領し、日本路線にも2008年5月から成田~シンガポール線、更に2011年7月からは成田~ロサンゼルス線にも投入してきた。
しかし、2016年10月後半からは最新鋭のボーイング777-300型機に機材が変わることが決まり、日本路線でシンガポール航空のA380に乗れるのもあとわずかになってしまった。最終フライトは、2016年10月23日の成田20時50分発シンガポール深夜3時着 (24日)のSQ(シンガポール航空)9便となる(この日のみ便名が通常とは異なる)。
2007年に世界で最初にエアバスA380を運航したのがシンガポール航空
A380型機の最大の魅力は、機体のスケールが他の飛行機と比べて圧倒的に大きいことに尽きるだろう。近年、ジャンボ(ボーイング747-400型機)が日本の空でほぼ見られなくなったこともあり、成田空港でA380を見ると特に目立つのだ。大きな飛行機は夢を与えてくれる存在であることはきっと変わらないだろう。
シンガポール航空のエアバスA380型機で世界に衝撃を与えたのがファーストクラスを超える「スイート」の存在であった。「空の上のプライベートルーム」として航空機で初めて完全独立型ベッドを採用し、扉を設置することで完全なプライベート空間を確保するだけでなく、真ん中席においては隣の席との仕切りを取ることでダブルベッドに変身させることができてしまうことは衝撃であった。まさに飛行機の概念を変える存在であったと言っても過言はないだろう。
シンガポール航空がきっかけで、その後にA380を導入したエミレーツ航空ではシャワールーム、大韓航空では機内免税店など広い機内空間を活かした設備の導入に影響を与えたことは間違いないだろう。
ファーストクラスを超える空間として注目された「スイート」。2名利用で中央席を使えばダブルベッドにもなる。
またビジネスクラスも1-2-1という他社ではファーストクラスで採用している座席配列をビジネスクラスにも導入し、特にシートの横幅は広く、大人が二人座れてしまうほどの広さである。もちろんフルフラットシートで目的地までぐっすり眠ることができるのだ。エコノミークラスもヘッドレス付きでゆったりしていることで好評である。
ビジネスクラスでこの横幅の広さは圧巻。子供二人が座ってもまだ余裕がある。