3)気の進まない猫をキャリーにいれるには
キャリーに慣れてくれた子は心配なく、動物病院に連れて行けますが、病気は突然やってきます。まだキャリーに慣れていない猫さん達はどのようにしたら病院へ連れていけばよいのでしょうか。
その方法は2つあります。
(1)ほとんど隠れる場所のない小さな部屋にキャリーを入れてお部屋のドアを閉める。ゆっくりと穏やかに、けっして猫さんを追いかけたりせずお菓子やおもちゃを使ってキャリーの中に誘導してみる。
(2)歩いて入ってくれない場合は上が開くキャリーであれば上部を取り外し置いておき猫さんをゆっくりとそこへ運ぶ、あるいは歩いてはいってくれるのを待ってから上部のふたを静かにかぶせる。
さらには、キャリーの中にいつも猫さんがつかっているお布団をいれたり、猫フェイシャルフェロモンスプレー(フェリウェイ)をキャリー使用の少なくとも30分前に吹きかけておくことも穏やかに移動する手助けをしてくれます。
どの方法が自分の家の猫さんにあっているのか事前に試してみるのもいいかもしれませんね。
4)病院の待合での過ごし方
よほど病院慣れしている猫さん以外は、病院の待合室はストレスフルな空間と感じています。ほかの猫のにおいや鳴き声、聞きなれない人間の声、機械の音、処置室から聞こえてくる叫び声などなど。
待合室ではなるべくほかの猫さんから離れた場所を選ぶようにし、キャリーのドアを飼い主さんのほうに向けてあげます。また、バスタオルをキャリーにかけて外が見えないようにしてあげるのも良いでしょう。日頃、猫さんが好んでいるタオルなど臭いが付いてるものがあればより落ち着きます。
もし、待ち時間が長くなりそうな場合は、車の中で待たせてもらうことも提案しましょう。
動物病院に連れて行くことが、お互いのストレスにならないようにいろいろな工夫をしてみてくださいね。
文/林 文明(はやしふみあき)
1988年北里大学獣医学修士課程修了。1998年コロラド州立大附属獣医学教育病院に留学し、欧米の先進動物医療を学ぶ。現在は、山梨・東京・ベトナムで5つの動物病院を経営。獣医師、日本動物医療コンシェルジュ協会代表理事。
日本動物医療コンシェルジュ協会
http://www.jamca.gr.jp/
ノア動物病院
http://www.noah-vet.co.jp/
構成/ペットゥモロー編集部