『フジテレビとはなんの関係もなくバイキング!!』』
名サウナっていうのは、サウナ室ではガッチリと体が温まるんで、当然“熱”側への振り幅は大きい。そして当然のように水風呂も冷えてるんで“冷”側への振り幅も大きい。そんな遊園地のバイキングっていう乗り物あんじゃないですか? アレみたいな振り幅のスイングをセット数がけ繰り返して、最後は中間に納まるというワケですよ。
グワングワン揺らされて、最後に中間に安全に着地することで気持ちがいい!!
これがちょっとした気持ちよさの普通サウナだと、バイキングではなく公園のブランコなワケですね。振り幅は小さいけれど、結局最後は中間に戻る。
でも今回オレが行ったサウナの場合は、片方側にしか振られないブランコみたいなもんなワケですよ。それどころかそのブランコ、最後くらいは中間で静止するかと思いきや、チェーンが切れて反対側に飛んでいっちゃった!
そりゃあ気持ちよくないの当然だわな。
ようするに、サウナで一番大事なのは……というよりも最低条件ですね。最低条件は“熱”と“冷”の振り幅のバランス! そのことを、この駄目サウナで身をもって感じさせていただきました。
そしてそのバランスの取れた振り幅が大きければ大きいほどナイスサウナになり、小さければ小さいほどちょいダメサウナになる。そしてバランスが取れてないサウナは“それ以前のサウナ”っていうことである。
だから、水風呂を冷やすチーラーがないようなサウナは、夏なんかどうしても水風呂の温度がヌルヌルになっちゃうんだから、もうその時はサウナ室の温度設定を少し低めにして“熱”と“温”のバランスを取った方がいいのではないか?
いや“熱”側の振り幅が大きい時は、水風呂にジックリ入いればどうにかなるのか? となると、“冷”側の振り幅だけが大きい今回の駄目サウナでも、水風呂に入る時間を短めにすればいいってことか?
いやいやいくらいくら長時間入っても、ヌルヌルの水風呂はシャッキリこないので、バランスとしてはどこか崩れたものにある。
逆に、冷えすぎないように短めにしても、冷たい水に入ると肌や汗腺は一瞬にしてキュッとしまるので、これもバランスとしてはイビツになるハズだ。
「じゃあバランス合ってるっていうなら、サウナ室は60度、水風呂は28度ってどう?」
なんていう意見もございましょうが、“冷”側はいくらヌルくても“20度以下”。“熱”側は、それにバランス取れた体感温度。これが最低条件ということで許していただきたい!
欲を言うなら“冷”が16度以下で、それにあった“熱”バランスなら最高! ようするにサウナは大きく振れるバイキングに限るってことですよ、北欧だけに! これを『サウナのバイキング理論』と名づけよう。あ〜今回一貫してマジメに書いたけど、締めはキレイだったな。
文/カーツさとう
コラムニスト。グルメ、旅、エアライン、サブカル、サウナ、ネコ、釣りなど幅広いジャンルに精通しており、新聞、雑誌、ラジオなどで活躍中。独特の文体でファンも多い。
■連載/カーツさとうの最強サウナ熱伝