メイド・イン・ジャパンの自動巻きムーブメントを搭載し、トライマチックを標準搭載。日常生活で本格機械式時計を気兼ねなく楽しめるモデルがついに誕生した。
『プレザージュ プレステージライン SARW021』
パワーリザーブ、曜日、日付を表示する視認性に優れた多針モデル。自動巻き(手巻き付き)。ケース(径40.8mm)、ブレスレットはともにSS。10気圧防水。12万円。
◎伝統を正しく受け継ぎ、さらなるコスパをも実現
日本国内はもとより、アジア諸国など一部の地域で数多くのファンを獲得してきた「プレザージュ」が、今年、ついにグローバルブランドとして生まれ変わった。「グランドセイコー」や「アストロン」と肩を並べ、日本のトップマニュファクチュールとしての企画力、技術力を世界に発信するための一翼を、このブランドも担うことになったのだ。セイコーの機械式時計の正統は、「プレザージュ」のなかにあるのだから当然である。
たとえば、セイコーが長いムーブメント開発の歴史のなかで育んだ独自技術「TRIMATIC」。
機械式時計を
日常で使いやすく
安定した精度で
長くご愛用いただく
精密機械を身に着けて日常を過ごすことが決して当たり前ではなかった時代に、セイコーはこの大きな命題に挑戦し、技術開発に成功した。具体的には、回転ローターの巻上げ効率を高めた“マジックレバー”、耐久性を向上させたSPRON製の“動力ゼンマイ”“ヒゲゼンマイ”、耐振構造を実現した“ダイヤショック”である。セイコー品質を語るうえで重要なこの「TRIMATIC」を、「プレザージュ」は全モデルで標準搭載している。
シースルー仕様で機械が見える!
プレザージュの自動巻きムーブメントは、適度な装飾と機能本位の作りが魅力。精緻な動きはケースバックからいつでも愛でられる。
外装面にも目を向けてみたい。まずこの美しいダイヤルだが、放射仕上げの上から艶やかなラップで覆うことで、金属文字盤ならではの光沢を最大限に引き出している。格上モデルに匹敵する上品な印象を持ち合わせているのはそのためだ。植字インデックスは立体感を生み出し、多針構造の複雑さを、奥行きを使いながら整理している。
さらに目を引くのがケースフォルムだ。ザラツ研磨という言葉をすでに耳にしたこともあると思うが、「プレザージュ」では「グランドセイコー」でも採用されているこのザラツ研磨を用いている。
ザラツ研磨とは歪みのない平滑曲面を作り出す職人ワザを必要とする工程であり、紹介モデルでは時計ケースの両サイドに施されている。特に、鍛造工程により金属密度を高めた後では、このザラツ研磨作業が非常に大きな意味を持つのだ。時計ケースがシャープに輝き、貴金属品に負けるとも劣らない存在感を作り出す。こうした優れた外装品質も「プレザージュ」の特徴のひとつである。
そして日常で気兼ねなく使える工夫も忘れていない。サファイアガラス風防には表裏両面に多層の無反射コーティングを施し、光の反射を99%以上抑制。「スーパークリア コーティング」と呼ばれるこの技術により、時刻の視認性を一段と高め、ダイヤルの美しさを細部まで鮮明に見せている。ケースとブレスレットには「ダイヤシールド」加工が施されているのだが、これは不用意に時計を壁や机にぶつけてしまった時でも、擦りキズ、小キズとならないように金属表面を薄い皮膜で覆う高度な技術だ。セイコーはこのふたつの技術を合わせて「Comfotex」と命名。時計を“身近に”、そして“快適に”使ってもらうためにと、同社は厳選したブランドで「Comfotex」を採用する。
さて「プレザージュ」のアイデンティティは、機械式時計のスタンダードを再定義することにある。機械式時計を身近な実用品と捉えるべく、メイド・イン・ジャパンにこだわった確かなクオリティと、卓越したパフォーマンスの双方をバランス良く追求しているのだ。そのことで日常生活のなかで気兼ねなく機械式時計を身につけてもらうことを目指している。だからこそ、この価格なのである。あれもこれもとスペックを欲張らず、セイコーの機械式時計の原点を正しく受け継ぎ、他を削ぐ。その潔さが「プレザージュ」だ。
今年はセイコーが自動巻きを世に送り出してから、ちょうど60周年を迎える記念すべき年である。それまでは高嶺の花だった自動巻きの機械式時計を誰もが手が届く実用機とした当時のように、「プレザージュ」は今後、多くのビジネスマンに機械式時計を愛でるチャンスを与えるだろう。実を取るビジネスマンは「プレザージュ」が第一の選択肢なのである。
『プレザージュ プレステージライン SARX035』
シンプルゆえに質感の高さが際立つ3針カレンダー。自動巻き(手巻き付き)。ケース(径40.8mm)、ブレスレットはともにSS。10気圧防水。10万円。