■Option
せっかくバランス駆動対応なのに、手持ちのバランス対応イヤフォンが2.5mm4pinだった。ハイレゾプレーヤーのオーナーならありがち…… そんな時に役立つのがオプションの拡張基板『DF22-EXP』3000円(税込)である。ヘッドフォンアンプと同じサイズの基板で専用端子に接続するだけで電源が供給され下記のバランス接続に対応できる。
1.φ2.5mm4pinプラグ(AKシリーズ対応イヤフォンなど)
2.XLR4pinプラグ(ZENNHEISER、beyerdynamicなど)
3.φ3.5mm×2(SONYなど)
4.IRISプラグ(パイオニアなど)
5.XLR3pinオスのバランス入力端子
最後のバランス入力端子がなぜオスなのかと言えば、XLRのバランス出力を持つヘッドフォンアンプと接続して、他の規格のヘッドフォンを聞くための機能なのだ。つまり、高価な変換ケーブルを購入したり、2.5mm4pinの超絶に難しいハンダ付けをしなくても手軽に様々な方式のバランス対応ヘッドフォン&イヤフォンが使える。そして、この基板は単体でも使えるのだ。これは安い! バランス対応のヘッドフォンアンプのオーナーは、自分のアンプ用のXLR変換ケーブルを自作すれば、4種類のバランス端子に対応できる。そして、この基板の専用ケース『NM-20』もすでに発売されているのだ。
肝心の音の方だが、2.5mm4pinにFitEar『Air』及び『MH334』、oBravo『eamt-3a』を接続して付録ヘッドホンアンプの音を聴いてみるとクリアーで透明感が高く、BAドライバーの良さを引き出してくれる音が楽しめた。これに対してXLR入力の変換端子を使うと情報量が若干少なくなるが、手軽にバランス接続できるメリットは大きいと思った。
最後に電源による音の違いを確認した。音質の違いは気になるほどではなかったが、能率の高いカスタムイヤモニを接続した時のS/N感が違う。ダメだったのはACアダプタで、その次が安定化電源、最もS/N感がいいはモバイルバッテリーだった。残留ノイズが気になる場合はDC電源がオススメだ。ちなみに基板に付いているボリュームも音質劣化の原因なので、ボリュームが使えるプリアンプからのRCAピン端子への接続がオススメ。
この基板を使えばバランス接続でインピーダンスが切り換えられる。ヘッドフォンアンプ単体ではアンバランスのインピーダンスしか切り換えられない。端子は手前左より、XLR4pin、3.5mm×2、奥がXLR入力と2.5mm4pinとなる