■Introduction
付録付きの雑誌は女子向けだけでなく、男子向け、さらにオーディオマニア向けにも次々と発売されている。「Stereo」が夏になるとスピーカーユニットを付録にして、ムックでバックロードホーンのキットを出すのは年中行事の感があるが、「DigiFi」も基板だけのUSB/DACやデジタルパワーアンプなどを付録にしているオーディオ誌として有名だ。そのNo.22の付録がバランス駆動対応ヘッドホンアンプなのだ。価格は5500円(税込)である。
その値段でバランス駆動なんて、たいした音は出ないだろうと思う人もいるだろう。ところがそうとも言い切れない。コンポの中でかなり高価な部品がケースである。特にアルミ削り出しとか言い出すとそれだけで何万円ものコストがかかる。「DigiFi」は基板だけという構成にすることで、高音質をハイコスパで追求している。ちなみにオプションで専用ケースもあるのだ。
■Report
まず、このヘッドフォンアンプはケースレスということ以外に、さまざまな特徴があるので箇条書きしておこう。
●バランス駆動だが入力はアンバランスのRCAピン端子か、3.5mmステレオミニ端子
●バランス出力はXLR3pin×2のみ
●バランス駆動用のオペアンプが別途2個必要、アンバラ用は装着済み
●電源がないのでmicroUSBで5V供給できるモバイルバッテリーかACアダプタが必要
●オペアンプを交換して好みの音質を追求できる
●インピーダンス切り替えがあって、イヤモニからヘッドフォンまで楽しめる
●スレテオミニ端子入力、使用時はボリュームが使える
●オプションの拡張ユニット『DF22-EXP』でXLR4pinと2.5mm4pinなどに対応
最大の疑問はなぜバランス入力がないのか。それは本機の使い方がスマホやハイレゾプレーヤーに接続して気軽に高音質を楽しむことだからだ。しかも、アンバラで入力してバランス接続できるのがポイント。確かに5500円でバランス駆動の音が聴けるなら安いものだ。バランス駆動用のオペアンプが自由に差し替えられるという構造も面白い。もちろん、アンバランス用のオペアンプも交換可能なソケットが使われている。最初に付属するのはBarBrown「OPA2134PA」である。
組み立て済みの基板が付録する。設計はOlasonicが担当。手前よりRCAライン入力、3.5mmステレオミニ入力、ボリューム、電源供給用microUSB端子。右奥が3.5mmステレオミニ、XLR3pin×2のヘッドフォン出力となる