■連載/石野純也のガチレビュー
iPad Air 2の登場から、約1年半ぶりとなる9.7インチのタブレット。それが、『iPad Pro』だ。昨年発売された12.9インチ版と同様、圧力まで検知するApple Pencilに対応。カバーと一体となったSmart Keyboardも、9.7インチのサイズに合わせたものが発売された。サイズや重量はiPad Airから変わっていない一方で、スペックにも磨きがかかった。チップセットは最新の「A9X」で、パフォーマンスは抜群。反射の少ないディスプレイを搭載しており、視認性も高まった。
9.7インチ版の『iPad Pro』。Apple PencilやSmart Keyboardにも対応する
通信面では、この『iPad Pro』から、Apple SIMを本体に内蔵するようになった。もちろん、セルラー版はLTEに対応。キャリアアグリゲーションも利用でき、国内のネットワークでは下り最大262.5Mbpsまで速度を出すことが可能だ(ドコモの場合)。この『iPad Pro』を発売日である3月31日に購入。約1週間使い倒したうえでのレビューをお届けしたい。
通信面では、キャリアアグリゲーションに対応しているほか、Apple SIMを内蔵したのも、『iPad Pro』の新しいところ
■ディスプレイが見やすくなり、ストレスなく使える
まずは、その基本性能から見ていこう。『iPad Pro』は、ディスプレイの反射を減らし、光が当たっても見やすさが損なわれないようになっている。映り込みが少ないため、映像を見ているときのストレスは非常に少ない。このメリットは、屋内でつかっているときにも感じることができる。仕事中、PCの横に立てかけておいても、しっかりと画面内の文字を読むことが可能で、見やすさは抜群だ。
解像度が先代とも言える『iPad Air 2』と変わっていないため、12.9インチ版のように、非対応アプリの見栄えが悪いということもない。
映り込みが少なく、高精細なディスプレイ。Webや電子書籍をじっくり読むのにも向いている
本体サイズの割に、重量が軽いのも好印象。さすがに長時間だと疲れてしまうが、ちょっとした空き時間にWebをチェックするような場合なら、片手で持って支えていることができる。寝転びながら、コンテンツを楽しむのに向いた仕様と言えるだろう。それでいて、本体は『iPad』でおなじみの金属素材となっており、高級感も出ている。
背面は金属で高級感を演出。セルラー版は、アンテナ部分の処理が『iPhone』風になった