■純正ペアの音はクッキリ爽やか
まず、同社が発売している超高性能アナログ型安定化電源『DCA-12V』3万6000円を使ってみよう。出力ノイズの電圧値が0.0020mVという測定器の限界に迫る高性能で、通常の製品と比較してノイズレベルが1/10~1/1000少ないという。
『Tempo』に3極プラグのFitEar『Air』とオーブラボー『eamt-3a』を接続して、手嶌葵「I Love Cinemas -Premium Edition-/Calling You」(96kHz/24bit)を聴いた。『Air』では手嶌葵のボーカルはクッキリと粒立ちが良く細かい音も聞こえる。それに比べると低域の解像度がもの足りない。2.5mm4極に変更すると、全体的に音が鮮明になった。特に低域の解像度が少し上がって、スピード感、ドライブ感がよくなった。高域はややつまるが、音場は左右に広がる。『eamt-3a』で聴くYuji Ohno & Lupintic Five with Friends「BUONO!! BUONO!!/THEME FROM LUPIN III 2015~ITALIAN BLUE ver」(48kHz/24bit)は音の分離が良く楽器の定位がいい、演奏は割とクールな感じに聞こえる。低域の解像度と歯切れがやや悪い。
『DCA-12V』は12V/1Aの電源供給能力があり、用途に応じて4種類のDCケーブル端子が選べる。重さ1.2kgで幅110×高さ62×奥行き200mm
出力はセンタープラスでEIAJ4ジャック。本機はPSE認定取得製品である
■JS PC Audio『PSU-R1』
純正の音が分かったところで、今度は電源にJS PCAudio『PSU-R1』2万1060円(税込)を使う。漏洩磁束が少なくローノイズ、高効率のNuvotem Talema社のトロイダルトランス、Cree社のSicダイオードなど高音質パーツが、アルミケースに収められている。さらにオプションで真鍮スパイクなどが選択できる。ちなみに電源ケーブルは付属しない。JS PCAudioは、わずか2名で運営するメーカー。低価格なノイズフィルターやDC電源などの音質改善アクセサリーを制作して、Webで販売している。確かに内容から見ると製品は非常にハイコスパだ。DCケーブルは直出しで長さを50~150cmまでの間で指定できるなど、かゆいところに手が届くサービスも魅力だ。
ドライブ力のある音。低域のグイグイくるドライブ感。音に包まれる感じがでる。躍動感があり、音に厚みがある。ボーカルの重心が下がった感じだ。この後で試聴した一般的なDCアダプターと比較すると、その音はまさに月とすっぽん。電源で音が変わることが実感できた。情報量、低域の解像度、S/N感、音場感など全てが激変する。まあ電源ケーブルを交換しただけでも音質に差が出るのだから、電源部自体を変更すれば音が変わると予測していたが、これほど違うとは思わなかった。
サイドがヒートシンクのアルミケースを採用。重さは1.2kg。追加料金1620円でブラックも選べる
DCケーブルは長さが選べる。これは1m、端子は金メッキの立派なものでケーブルにはメッシュのシースカバーが付いて高級感溢れる作りだ。オプションで電源スイッチも付けられる