安くて美味しくて種類が豊富！西友のお惣菜「若菜」好調の理由

○「グラノーラとチキンのサラダボウル」「シリアルとエビのサラダボウル」各348円

　朝食のサラダで一食を完結するヘルシーにこだわった新スタイル。競合他社でも生野菜サラダは競争が激しく価格だけの競争になっている中、価値観を与えて差別化できる商品にしたという。6月発売予定。

サラダ類開発担当 竹田 千尋さん

「昨年公募制度を使って商品開発部に異動した。デパ地下や専門店ではやりの雑穀を使用したサラダボウルと、コンビニでヒットしたサラダチキンを組み合わせた若菜では初のタイプ。ターゲット層は働く女性で、時間がないときや体を労わりたいときに食べていただくことをイメージした。サラダがメインディッシュになるように1品で満足できる設計にして、ヘルシー感のあるチキンとエビをトッピング、彩り野菜を使って女性の目に留まるように開発。取手が付いた容器も特徴的で機能性を兼ね備えている。シリアルは数種類の中から他の食材の邪魔をしないシンプルなものを選んだ。シリアルが入ることで食感が楽しめ、噛み応えがあるので満腹感が得られる」

○「黒毛和牛入り俵コロッケ」98円

コロッケは食卓の出現率が高く市場でもさまざまなチャレンジがされている。新商品も国産原料にこだわり、安心安全で高品質を実現したチャレンジングな商品。身近なコロッケにバリュー感を持たせて高品質化することで、若菜の良さを知ってもらう商品として、開発担当者の池内さんは1年間をかけて開発や原料の準備を行った。

フライカツコロッケ・点心類開発担当 池内 達也さん

「市場で主流のふわっとタイプのコロッケとは違う、昔懐かしいタイプのコロッケにこだわった。厳選したじゃがいもをしっかりと味わってもらうためにたっぷりのじゃがいもをペースト状に練り上げて舌触りを良くし、ずっしりなめらか食感を実現。開発には1年かけ、内部にできる空気層の排除や、なめらかな口当たりにするため北海道の工場に出向き、最後まで工程改善を行った。

　もっともこだわったのは国産原料の使用。商品の決め手となるじゃがいもは果肉が黄色くうまみのある北海道産のキタアカリを100％使用。秋の収穫後に低温で貯蔵し、熟成して甘みが増したものを使用。早い段階で育成前のキタアカリを畑買いし、質の良い黒毛和牛を低価格で少しずつ買いだめすることで、市場で想定されるよりも30％ほど安い98円で提供することができた。3月3日から発売しているが、計画数量の1.3倍を売上げ、ヒット商品となっている」

【AJの読み】種類が豊富でリーズナブルな西友のお惣菜は働く女性の味方

　仕事で帰宅が遅くなるときも多く、デパ地下かスーパーの惣菜を買って、家でごはんと味噌汁、簡単な副菜を作り買ってきた惣菜と共に食卓に出す。個人的に西友のヘビーユーザーで惣菜や弁当に関してはかなりの頻度で利用している。近所に数軒の大型スーパーがあるが、品ぞろえや価格、味と総合的に判断すると西友が断トツだ。「黒毛和牛入り俵コロッケ」は我が家でも好評で10個まとめ買いをしている。

　若菜の商品部長・江原 秀知さんが会見で話していたが、同社はマーチャンダイザー（MD）育成に力を入れており、MD理論講座という座学のほか、マーケットリサーチや、会社が経費を全負担して、有名店から庶民的なチェーン店まであらゆる味を体験し自身の経験として蓄積させているのだとか。「一番大事にしているのはあらゆるステージで食べるということ。どんな商品を開発するにも自分の味の経験が基盤になる」と江原さん。おいしいものを作るにはおいしさを知るのが基本ということか。今後もおいしくてヘルシーでリーズナブルな惣菜に期待したい。

文／阿部 純子