■用途ごとに求められる性能は異なる
スタイラスペンを使うと、紙とペンに近い操作感が得られる。タッチパネルに指で長時間、細かい文字やイラストを描くのはストレスだが、そこから解放されるのだ。
ペンを使う用途は人によって様々あるだろうが、大きく分けると「簡単なメモ書き」「ビジネス文書へのメモ書き」「クリエイティブ用途」の3つに集約できるのではないだろうか。
・簡単なメモ書き
スマホやタブレットでもよく見られるのが、ちょっとしたメモの手書きだ。もちろんタッチパネルのPCでも手書きでメモできるが、現状は手書きメモアプリが豊富で起動も速いiPadやAndroidタブレットのほうが、より実用的と言えるだろう。
手書きアプリとして評価の高い「MetaMoji Note」。手書きの文字をテキストに変換する機能も備える。iOS、Android、Windows版。
・ビジネス文書へのメモ書き
Windowsパソコンは、ビジネス用途で使うユーザーが多いが、スタイラスペンの活用にはどのようなものがあるだろうか。まず考えられるのは、Webページのクリッピングでのメモ書きだ。Windowsの新ブラウザ「Microsoft Edge」には、Webページに直接手書きでメモを書いて保存する機能が搭載されている。メモを加えた画像は、メールその他で共有することも可能だ。また、Windowsでは手書きのノートアプリ「OneNote」もインストールされている。さらに専用アプリをインストールすれば、「OneNote」以外のOfficeドキュメントやPDFにも手書きでメモが加えられる。
ドキュメントに直接手書きするのは、キーボードなどで文字入力するよりも簡単かつすばやくおこなえることが利点だが、そのままメールなどで送信する場合、ビジネスマナー上注意しなくてはならないこともある。たとえば、上司が作成した書類に手書きで修正しそのまま送り返すと、非礼と思われる可能性がある。修正の内容はメール本文にも書いたほうが理解しやすいし、文書ならWordでテキストそのものを修正した方が親切だ。逆に、多忙かつ社内で地位の高い人であるなら、手書きの指示をさっと送り、部下がそれを修正する方がスピーディーかつ合理的ではある。いずれにせよ、画像のやりとりでビジネスを進めるには、相手とのコンセンサスが必要だ。LINEのスタンプを考えれば理解しやすいだろうか。
Windows標準のブラウザ「Microsoft Edge」では、ペンやマーカーによる手書き、注釈メモ(手書きした文字がテキストに変換される)をWeb画面に加えて保存・共有できる。