専用のスタイラスを付属し、ペンによる操作・入力を可能にしたWindowsマシンがある。マイクロソフトの『Surfaceシリーズ』やVAIOの『VAIO Zシリーズ』などだが、ペンがあると何が便利なのか。その方式と特徴、具体的な用途について考えてみる。
■普通のタッチペンとデジタイザーの違い
まずは、タッチペンの種類について整理しておこう。
ほとんどのスマホやタブレットが採用しているのは、「静電容量方式」だ。人体の静電容量に反応する方式のため、プラスチック製などのペンでは反応せず、先端がゴム素材になっているスタイラスペンが普及している(スマホ用手袋なんてものもありますよね)。静電容量方式では、スタイラスペンを使ったとしても精度は低く、小さな文字や細かい絵を描くことは難しい。
静電容量方式のタッチパネル用スタイラスのペン先はゴム素材になっている。丸みを帯びているので、細かい作業は苦手だ。
『Surfaceシリーズ』や『VAIO Z』など、専用ペンを用意したモデルで多く採用されるのが「電磁誘導方式」(類似の方式に「静電結合方式」もある)。静電容量方式に対応したペンに比べて精度が高く、細かい作業も可能だ。これらの方式のスタイラスペンはデジタイザーペンとも呼ばれ、無線でデバイス本体と通信することで機能する。一般的にはペンには電池が内蔵される(ワコム製品など電池不要のペンもある)。
スタイラスペンを備えた製品でも指でのタッチ操作はできるが、それはディスプレイが前者の静電容量方式も採用しているからだ。それゆえ、日常的なアプリ操作は指で、文字や絵を描くといった作業では高精度なスタイラスペンと使い分けることが可能である。
電磁誘導方式などを採用したデジタイザーペンの先端は尖っている。
『VAIO Z』シリーズ用のスタイラスペン。内部に電池を搭載しPCと無線通信を行う。