■連載/ゴン川野のPC Audio Lab
■Introduction
デジタルかアナログか、それが問題だ! というのは音源の話ではなく、今回はボリュームの話だ。音楽信号は増幅されてスピーカーやヘッドフォンを鳴らすのだが、ボリュームだけは信号を減衰させる役割を担っている。つまり、わざわざ信号をロスさせる必要悪のような存在だ。そして音質に影響のある重要パーツなので、昔からさまざまな方式が考案されてきた。現代では、ボリュームをDACに入れるのか、プリメインアンプか、パワーアンプか、アクティブスピーカーに内蔵するかが問題になっている。はたまたデジタル式がいいのかアナログ式がいいのか、議論の種は尽きない。
私はデジタルボリュームに感銘を受けたことはなく、やっぱりボリュームはアナログに限ると思っている。リファレンスで使っているのもパッシブ型アッテネーターEL SOUND『highendvolume XLR custom』で使われているボリュームはアルプス電気『RK50114』相当品である。ライバルは東京光音『C型アッテネータ』だ。抵抗切り替え型と呼ばれる方式で、連続的に音量が変えられる可変抵抗ではなく、固定抵抗の組み合わせで音量を段階的に変える。ステップス数40でカチカチ回るタイプだ。使いにくいが、経年変化が少なく長期安定、そして左右の音量差であるギャングエラーを徹底的に減らせるメリットがある。
これと同じことをやっているのがLUXMAN『DA-250』に搭載された電子制御アッテネータLECUAである。固定抵抗の組み合わせの前後をアナログスイッチと呼ばれるデバイスで切り換え音量を調整している。電気的にスイッチをON、OFFできるのでリモコンにも対応。デジタルアッテネータの宿命である小音量再生時のビット落ちも生じない。Lパッド型と呼ばれる音質に影響が少ないとされる方式で抵抗を組み合わせている。これは音質に期待できそうだ。しかもバランス出力対応! 『DA-250』はそんなプリアンプ機能搭載のUSB/DAC最新モデルである。LUXMANのDACと言えば、ハイエンドモデルの『DA-06』をPCAudioLabでも以前、試聴している。そこから音はどう進化したのか?